☆財宝と献上物その2☆

□水鉄砲大合戦
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じりじりとてりつける太陽にハートのクルー達は皆やられていた。

「暑い・・・・なんだこの暑さ・・・おとといまで猛吹雪だったくせに・・・・」
「まあこの海じゃあ何があっても不思議じゃねえよな・・・」

ペンギンとシャチはぐったりと甲板の影のところで寝転がっていた。
急激な気温の変化に皆体がついていかず、体力だけが奪われていく。
だらだらととまらぬ汗を手の甲で拭う。
ぐったりしている二人のもとへ、船長のローが姿を現した。

「おい、お前ら生きてるか?」

ローも額に少し汗をかきながら二人を覗き込む。
ペンギンとシャチは力なく返事をした。
そんな二人に溜息をつきながら、ローは手に持っていた水を二人に渡してやった。

「ほら、これ飲め。熱中症になられたら面倒だからな」
「ありがとうございまーす・・・」

受け取った水を二人は一気に飲み干す。
ひんやりとした冷たい水が体の中に染み渡り、少しばかり体が楽になった。

「船長こそちゃんと水飲んでくださいね」
「俺はお前らよりやわじゃねえ」
「うわ、そういってまたはぐらかす〜」

ふんと鼻をならし、二人をローは上から見下す。
そんなローをじーっと睨みつけ、そしてはっと何かを思いついたようににまーっと笑った。
シャチとペンギンはおもむろに立ち上がり船内へと走っていった。
そんな二人にローは首をかしげる。
一体なんだというのか・・・。数分してまた二人が姿を現した。

「おい何・・」
「「くらえ!!!」」
「ぶっ!?」

二人の掛け声とともにばしゃあっとローの顔に何かがかかった。
ぽたぽたと滴るそれは、ひんやりと冷えた水だった。

「いえーい!!命中!」
「どうです船長!気持ちいいっしょ!!」

二人の手にはいびつな形の銃が握られていた。
中心にあるタンクのようなものに水が入っている。

「何だそれ」
「これ水鉄砲っていうおもちゃですー」
「弾の代わりに水を使った銃ですね、簡単に言えば。まあ殺傷力は一ミリもありませんが」
「ふーん、バンダナに作ってもらったのか。ちょっと見せてくれ」
「そう、簡単に作ってくれました。はいどうぞ」

ローはシャチから水鉄砲とやらを受け取り、くるくる回して構造を見てみた。
・・・・・・というそぶりを見せてばっとシャチに水を発射した。

「ぶわっ!?」
「甘いなシャチ。簡単に武器を相手に渡しちゃ駄目だろ?」

にやりとしてやったりな顔をしてローはシャチを見た。
そしてシャチを見る振りをして、ペンギンに死角から水を発射する。

「うえっ!?」
「油断してちゃ駄目だろペーンギン?」

またにやりと口元に笑みを浮かべるロー。
そんなローに二人は火がつき、シャチはもう一つ水鉄砲を、ペンギンはローと向かい合う。

「やりましたね船長・・・なめてもらっちゃ困りますよ!」
「ふん、俺に喧嘩を売ったことを後悔させてやるよ、ペンギン」

こうして水鉄砲大合戦が幕を開けたのだ。




(何々?楽しそうだねえ。おれも混ぜてキャプテン〜)
(おおじゃあベポは俺の味方な。ペンギンを狙え)
(あいあい!!)
(ちょ二対一はずるいっす!!シャチー早くこーい!!)


++++++++
深海航路様との相互記念小説です^^
夏っぽいていうか完全に夏のお話になっちゃいました;;
あ、ちなみにバンダナはハートの船大工です。
初登場がこちらになって申し訳ありません;
ベポが少ししか出せなかったのが心残りです><
いつでも書き直し承りますので!
これからもよろしくお願いしますね///

いもいも様だけお持ち帰り自由とさせていただきます^^

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