あいうえお順に進む46のお話達

□けん玉大会
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これは、白ひげ海賊団がまだ大型海賊団になる前のお話・・・


カンッコンッカンッ

彼らの船に妙な音が響く。床を掃除していたハルタは、側で同じく掃除をしているマルコに駆け寄った。

「マルコ!なんか変な音聞こえない?」

マルコは耳を澄ませて頷いた。

「ホントだねい。釘を打っているにしては音が弱いし・・・何だろうねい。あっちの部屋から聞こえる気がするよい」

ほぼ掃除が終わっていた二人は、さっさと道具を片付けて音がする方へと足を向けた。

「ブラメンコが何か作ってるんじゃない?」

ハルタの言葉にマルコは首を横に振った。

「いや、そうならもう少し派手な音がしてるはずだよい」

ハルタは頭を掻きながら首を捻った。

「う〜ん。じゃあなんだろ?あっ・・・この部屋からみたいだね」

ついに二人は音がする部屋の前に立った。その部屋は船員部屋の一つで、ビスタ、イゾウ、フォッサ、その他二名の計五人で使っていた。
軽くノックして扉を開けるとイゾウとフォッサの姿があった。フォッサは葉巻をふかしながらイゾウの前に座り込んでいた。そしてイゾウの手には見慣れないものがあり、どうやらフォッサはそれを操るイゾウを見ていたらしい。ハルタは二人の元に駆け寄り、イゾウの手元を指差しながら言った。

「なんか変な音が聞こえてきたんだけど!もしかしてこれの音?」

マルコも扉を閉めつつハルタに続いた。

「そうそう。カンカン聞こえてきたよい。なんだよい?」

イゾウはニコニコしながら答えた。

「耳がいいな。これか?けん玉と言ってな・・・ワノ国の玩具だよ」

そう言って彼は、トンカチにトゲが一本生えたような形の物からぶら下がった玉を、器用にトントンとトンカチ型の左右に交互に乗せた。

「流石はイゾウ。器用なもんだねい」

「すごーい!単純だけど面白〜い!!」

マルコとハルタは手を叩いて、やんややんやと褒めそやした。

「やってみるか?意外と難しいぞ。俺も昔はよく頭をぶつけたよ」

イゾウはハルタにけん玉を手渡した。ハルタはご機嫌でそれを受け取り、イゾウを真似てひょいひょいと手を動かした。1回目はうまいこと乗っかったのだが、2回目に玉は弾かれて、びろ〜んと宙を舞った。

「わぁっ!落ちちゃったよ〜ホントに難しいね〜!マルコもやってみる?」

ハルタは少し悔しそうな笑顔でマルコにけん玉を差し出した。
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