ハートの航海の記録

□ハートの海賊団のとある日常ー夏島編ー
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春島を出て早一月。
現れる海王類の顔触れが変わったと思っていた矢先、明らかに気温が上がった。誰が何と言おうと熱い。皆、流石にバテだして動きが緩慢になる。

ローは服装自由の特例を出した。このままでは全員熱中症にでもなってしまいそうだからだ。
皆思い思いの軽装になり涼をとる。大抵はパンツ一丁か、半パンに上半身裸ないしタンクといったところだ。ベポに至っては真っ裸だ。(まぁクマの正しい姿だが)
ようやく次の目的地がぼんやり見えて来ると、元気なく歓声があがる。


次の島のログの溜まるスピードはどのくらいだろうか・・・出来れば早く秋島の海域に入りたいものだ。皆、同じような事を考えながら、元気なく停泊の処置をする。
みんな疲れているので取りあえず今日は休暇ということになった。欲しい物をペンギンとシャチに頼んでおいて、ローは船に、見張りも兼ねてベポと二人残る事にした。ベポは毛皮を着込んでいるせいか誰よりもバテている。動こうともしない。流石に心配なので船に二人待機する事にしたのだ。

「おい、ベポ!浅瀬で泳いできたらどうだ?暑いのましになると思うぞ」
床でへばるベポにローは声を掛けた。
「う〜・・・そうだねキャプテン。」
そう言い残しヨロヨロと海に向かって降りて行く。しばらくすると水しぶきがあがる音がした。無事に海に入れたらしい。ローはほっと胸をなで下ろし、パラソルをセットしたサマーベットに転がる。ハートの海賊団は海賊なのにみんな泳げない。いや、もしかしたら泳げるヤツもいるのかもしれないが誰一人泳ぎの経験はない。寒い北国出身の人間ばかりだからだ。ベポも恐らくは泳いだ事がないと思われるが、本能的に泳げるとふんであえて監視はしない事にした。どうせ自分は以前に能力者だから、ベポが溺れた所で助けてやれない。まぁロープを投げるくらいはできるが、それならそれでロープの置いてある甲板にいた方が都合がよいというものだ。


しばらくして、ペンギン達が帰って来た。
「船長、頼まれた物買ってきましたぜ。なかなかいい値がしましたよ、コイツ」
そういって木箱を渡す。中身は氷の塊だった。
「あぁ、悪ぃな!サンキュー」
ローは嬉しそうに木箱を受け取ると、ベポに一声かける。
「ベポ!これやるよ!有り難く受け取れ!」
「何?キャプテン・・・おっとっと」
辛うじて氷の塊をキャッチする。
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