ハートの航海の記録

□★ 夢追い人
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ハートの海賊団ご一行は、温泉で有名だと老人に教わった冬島へと船を進めていた。ペンギンはまだ詳しい情報が入っていないのに、あれこれと日程を組んでいる。
そうこうしてるうちに島がハッキリ見えて来た。
それと同時に船の影も・・・
ローは、どこか楽しんでいるような笑みを浮かべ呟いた。

「面倒くせぇなぁ」

その船は、明らかに海賊船で海賊旗にも覚えがあった。

「船長!あれジェンダーの船じゃないですか?」

シャチが叫ぶ。
ジェンダー海賊団・・・船長の、ジェンダー・ポートは8000万ベリーの賞金首で、今の時点ではローよりも額が高い。ローの首にかけられた額は、5000万ベリー。

その3000万の差はどれほどのものなのか・・・ローはうずうずし始めた。明らかに殺気立ち始めた船長に、周りの士気も上がって行く。

「船長、アイツら潰す気でしょ?!よっしゃあ〜久々に暴れてやるぜ!」
さっきまで熱心にプランニングしていたペンギンも、戦う気満々だ。

「フフッ…まぁそうはやるなよ。ジェンダーの首は俺のもんだ。あとはお前らに全部やる。適当に遊んでくれ」

「アイアイサー」
ローの一言に船は熱気に包まれ降り積もったやわらかい雪も溶けてしまいそうだ。


ついにハートの船は、ジェンダー海賊団の船の後ろに停泊した。
ジェンダー海賊団の船の見張り達は、気を抜いていたらしくハートの船が近付いていた事に気付かなかったようだ。停泊し、陸に上がるため騒がしくしたことでようやく気付く。

「何!?何の音だ!?」

「おい、いつの間にか船がいやがる!潜水艦だ!」

「この船、北の海のトラファルガ―・ローだ!」

「ご名答・・・」

ジェンダーの船の縁に立つと、ローはうっすら笑みを浮かべて呟いた。
こんな奴等に、能力を使うまでもないと思い、持っていた愛刀を抜き稲妻のごとく切りかかる。
あまりの不意打ちに敵達は反撃できず、あっさり床に伸びた。ローは仲間数名に敵船の積み荷の強奪を命じ、バルトに船を任せると、自身はジェンダーを探すべく、地に降り立った。ペンギン、シャチ、ベポもローについて行くことにした。
船長の側に骨のある奴がいるであろうからだ。

町に足を踏み入れると観光地であるはずなのに、人が全くいない。窓も閉まっている。それは、ジェンダー達がすでに町に来ている事を表していた。
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