ハートの航海の記録

□不思議の島
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のどかな昼下がり、原色で彩られた異様な雰囲気の島にハートの一味は辿り着こうとしていた。

「うわぁ〜派手な島っすね船長!」

ペンギンが驚きの声を上げる。人が住んでいるのかどうかも怪しい。

「フフッ・・・楽しそうじゃねぇか」

刺激を与えてくれるものなら、なんでも歓迎なローは、ニヤニヤしながら島を眺める。

「あ〜あ〜船長スイッチ入っちゃったよ」

ペンギンは半ば呆れ顔で首を振った。

「なんか面白そうな島だからちょっと長居してもいいかもな♪」

見るからにローはウキウキしている。サクッと停泊の指示を出し、仕事を割り振ると早々にお出かけの準備に取り掛かり、僅か数分で身支度をすませた。そして定番のこのやり取り・・・

「よし!行くぞベポ!」
「アイアイキャプテン」
「あまり遠くに行かないでくださいよ〜」
と、シャチが叫んでいる。ローは振り返る事なく手だけヒラヒラさせて、二人は眼前の怪しげな森に姿を消した。

島の大部分を占めているらしい森の中は、眩しいくらいの原色に輝く世界で全く怖さとかけ離れている。鬱蒼と茂る植物も何とも言えないメルヘンな感じだ。

「うわぁ〜凄いなぁ。目がチカチカするねキャプテン」

「あぁ。派手な生き物や植物は毒がある事が多いんだが、まさかこれ全部毒草だったりしてな」

「え〜やめてよキャプテン。只でさえ無人島っぽいから森で食料調達の兆しなのに〜毒草ばかりだったら飢え死にしちゃうよ〜」

「フフッ・・・そうだな。まぁ派手な色してても果物ならイケるんじゃないか?何種類か持って帰って試してみようぜ」

「チャレンジャーだねキャプテン!相変わらず・・・でも楽しそう♪」

二人は何種類か果物をとり、幸運な事に偶然見つけた、湧き水の安全を確かめてから船に戻った。
「早かったすね船長」
シャチがにこやかに出迎える。

「おぉ、果物じゃないすか!食えるんですか?」ペンギンは手土産に興味津津だ。

「さあな。今からソレを確かめるんだよ。恐らく毒はない。ベポの鼻で確かめたからな」

「そうすか!なんか闇鍋みたいっすね〜ワクワクしてきた!」
イベント好きなペンギンはテンションが上がり始めた。全員を集めて味見大会が始まる。十種類ほどある果物を一口サイズに切り分けて、いっせーので口に放り込んだ。
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