ハートの航海の記録

□ローと愉快な仲間たち2
1ページ/3ページ

ハートの海賊団のいつもと変わらないとある1日・・・



「おはよ〜う」

ベポが大きなあくびをしながら食堂に入って来た。

「おう!おそよう!!」

すかさずペンギンがいつもどおり挨拶をする。

「いつも思ってたんだけどさ、なんで“おそよう”なの?」

ベポはのんびりした口調で疑問を口にした。

「だってお前・・・もう9時だぜ?全然お早くねえだろ?」

ニヤリと笑ってペンギンは答える。

「あぁ〜なるほどね」

ベポは妙に納得して、のそのそ朝ご飯の準備を始めた。この船では朝ご飯はセルフサービスとなっている。
「ある程度の事は自分で行う」が潜水艦ルールだからだ。
そこに、寝ぼけ眼をこすりながらシャチが現れた。

「コーヒーいれるよ!」
そう叫んで、自分のカップにコーヒーをいれ始める。みんな特に気に留めていない。これもまたいつもの光景だからだ。
紛らわしいが、彼は自分に対して「コーヒーをいれる」と言っているのだ。潜水艦での朝ご飯はセルフサービス・・・
「コーヒーいれて」と頼んだところで誰もいれてくれはしない。
なので、彼は毎朝「コーヒーいれるよ!」と叫ぶのが日課になっている。

シャチがサンドイッチをこさえて席についた。いつもの如くベポがおねだりする。

「美味しそうだね〜一つ交換しない?」

そんなベポの皿に乗っかっているのはフレンチトーストだ。シャチは快く承諾した。しかし、彼の悪戯心がこのタイミングで動き出した。

「いいぜ!じゃあしっかりキャッチしな!!」

サンドイッチを高々と上げて、勢いよくベポの口めがけて投げ付ける。
サンドイッチは途中で空中分解し、パンがヒラヒラと左右に落ちた。そして、見事に具のみがベポの口にジャストミートする。
それを見て大ウケしているペンギンとシャチ、そして数名のクルー達。

いつの間にやらローがいて、机にへばる哀れなパンをみて、軽く注意する。

「おい、お前ら!食い物粗末にするなよ!!」

「あっひゃっひゃっ!あ〜すみません船長・・・でも傑作じゃないすか?今の!」

シャチがヒーヒー言いながら机に突っ伏している。ペンギンも、机をバンバン叩きながら腹を抱えている。ヤレヤレとローは溜め息をつきながら首を振り、自室へと姿を消した。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ