☆財宝と献上物☆
□ローと愉快な仲間たち
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ローは暖かいコーヒーをいれて、日誌をつけていた。
大切な航海の記録・・・俺たちの軌跡、生きた証し。
インクが乾くのを待って、ゆっくり日誌を閉じ、表紙を大切そうに撫でてローは席を立った。
「小腹すいたな・・・そういえば、食いさしの菓子があったはず」
ローは独り言をいいつつ、飲みかけのコーヒーを片手に部屋を出て、食堂に向かった。
食堂は狭い潜水艦の中で、一番多くの役割を果たしている。大きい机があるため、あらゆる作業にもってこいなのだ。
ローが食堂に入ると、ペンギンが洗濯係を手伝っていた。ベポは何かを食べている模様・・・
ローはお菓子を置いている棚を開けた。
「あれ??ない・・・」
置いていたはずのクッキーがない。
「なぁ、ベポ。俺のクッキー知らね?」
「ん〜知らないよ」
ベポはクッキーをポリポリしながら返事をする。よくよく見ると、見覚えのあるパッケージ・・・
「ベポ!?お前俺の菓子食ってんだろそれ!」
ベポは慌てて袋を見る。
「えっ!?本当?あーキャプテンの名前書いてある!!」
この船では、自分の食糧に各自名前を書いて保管しており、名前が書かれているものには手を出してはいけない事になっている。
名前がないものは、船の食糧なので早い者勝ちなのだ。
「ご、ごめんねキャプテン!!」
ベポは慌てて謝罪を入れた。ローは溜め息を吐きつつ、
「いいよクッキーの一つや二つ。他にも買って置いてるから」
と板チョコを取り出した。
指についたチョコをペロペロ舐めながら、コーヒーを取りに行く。すると、そこに得体のしれないものが入っている。
「なんだ?これ・・・まさか」
嫌な予感しかしない。
恐る恐る、黒い布の固まりをつまみ出す。
嫌な予感は的中していた。それは、畳まれたおパンツで・・・
「黒ビキニ!?おい、こら!!ペンギンちょっと待て!」
畳み終わった洗濯物を、自室に運ぼうとしていたペンギンに声をかける。
「お前!俺のコーヒーにパンツ落としただろ!?」
通りすがりのシャチが大ウケしている。
「え?マジですか!?船長・・・あっ本当だパンツねぇ!す、すいません船長」
ペンギンは、慌てて謝罪を入れた。
「いいよ・・・新しいカップに淹れ直すから」
ローは肩を落としてキッチンに消えた。
(やべぇ、なんか今日俺ツイてないかもしれねぇ)と思いつつ。