☆財宝と献上物☆

□ネバーランド
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白ひげ海賊団は、若さを保つ秘密が隠されているという島を目指していた。

“白ひげ”ことエドワード・ニューゲートは、特に若さを保つことに興味があったわけでは無いが、日頃世話になっているナース達の要望で島を目指している。
手掛かりが少なく、島の場所を特定するのには骨が折れたが、そこは天下の白髭海賊・・・数日で見極め今に至る。


美しい夕暮れに島は姿を表した。
伝説とも言えるその島は、見た目は普通の無人島だった。なんとなく、ガセネタをつかまされた感がうっすら漂う中彼らは停泊した。

辺りが暗くなり始めたので、探索は明日からということにして、ご一行は浜辺で夕食を取る事にした。


サッチとイゾウ、数名の隊員が薪を集めるべく森に出て行く。薪集めなんて調達班の下っ端達に任せておけばいいのだが、好奇心から隊長二人は率先して出て行ったのだ。
サッチはこの森で採れるであろう食材を下見に、イゾウは多少なり美容に関心があり、手掛かりが見つかればという思いで・・・。


「なんか普通の森だな。生えてる植物も見た事あるものばかりだ。食材は手に入りそうだが、目新しいもんは恐らくねぇなこりゃ」

「そうだな。やっぱりここは普通の無人島で、若さを保つなんてのは伝説なのかもな」

二人は少し残念に思いながら、適当な薪を拾ってまわる。持ち切れないくらい集めた所で、一端戻ろうと方向を変えたその時、イゾウの驚きを含んだ悲鳴が上がった。

「あぁ!!なんだ!?」

「イゾウ!?どこだ!!見えねえ!」

サッチは慌てて振り返るが、そこにイゾウの姿は無く、代わりに何かを引きずるような音が森に響き渡る。

サッチは抱えていた薪をその場に投げ出し、引きずった後の残った道を走る。
途端に目の前が光に包まれた。眩しさから立ち止まり、腕で目を覆う。

薄暗い森を走っていたはずなのに、急に明るい場所に出たのだ。
日が暮れたはずなのに、どこからか光が入っている開けた明るいその場所に、イゾウの着物だけが落ちていた。

サッチは、青い顔で着物に走り寄る。拾いあげようとしたその時、着物が膨らんでいることに気付いた。恐る恐る着物をめくると、5歳くらいの・・・女の子?男の子?

体をみるとそれは男の子で、顔をよく見ると幼いイゾウである事を示していた。息はあるが、意識はなく、何らかの原因で体が縮んだらしい。
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