☆財宝と献上物☆

□家族
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それは、とある晴れ渡る空の下での出来事・・・
穏やかな海、床を染める赤、崩れた虹色の世界。


15番隊は戦闘に出ていた。戦況は劣勢、たまには骨のある奴等にも出会うものだ。しかし、白ひげの名にかけて負ける訳にはいかない。

隊長であるフォッサは、新たな葉巻に火をつけ剣を構え直した。そこへ、応援が駆け付けた。
イゾウ率いる16番隊だ。彼らとは、同じ船に乗っていることもあり長い付き合いである。ワノ国出身のイゾウは、見た目こそ女のようだが、男の中の男だとフォッサは思っている。

「よう、フォッサ!珍しく長々と遊んでいるじゃないか!」

ニヤリと笑って、イゾウが愛銃を勢いよくぶっ放す。

「へっ、まあな。たまには、遊びたくなるんだよ!済まねぇな、巻きこんじまって!」

「なんだよ、水くせぇなぁ。さっさと終わらせて、昼飯にしようぜ!今日は、捕れたての海王類がメインだぞ」

イゾウは、ニッと笑ってその場を離れた。

「オゥ!」

フォッサもニッと笑って返し、殺られそうな部下を助けに走った。


しばらく戦闘が続いたが、後はフォッサが相手をしている船長と数十人の敵を潰せば終わりという所まで漕ぎ着けた。

勝利は近い・・・

イゾウは戦況を確認し、もう自分の隊がいなくても良さそうだなと思い次の指示を出そうとした。

しかし・・・

その時、フォッサを狙う銃口に気付いた。自分を狙う銃口にも・・・普段は2丁拳銃だが、弾切れで今は1丁。撃てるのは、1人だけ・・・

迷うことなく、フォッサを狙う男に向かって引き金を引いた。同時に体に走る激痛・・・

「ぐっ・・・」

くぐもった呻きと共に地面に倒れる。目の前が霞んで行く。遠くで自分を呼ぶ声がした。部下達の、そしてフォッサの声が・・・眼前に血が広がっていく。それは、とても綺麗で、ほんのり笑みを浮かべてイゾウは目を閉じた。


フォッサは気付いていた。自分を狙う銃口に・・・マズいと思った。しかし、そいつはイゾウの銃弾に倒れた。

心の中で礼を述べたその時、イゾウも倒れた。目線を移すと、イゾウを撃った男の姿が・・・アイツが自分に向けられた銃口に気付かないはずはない。
となると、結論は一つ・・・
“イゾウは俺のために命を捨てた”
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