☆財宝と献上物☆
□海賊
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「おい、知ってるか?ハルタやっちまったらしいぜ」
「あぁ・・・なんか変な虫に刺されたんだろ?」
「アイツ、エースとジャングルで暴れまくってたからなぁ〜その時たぶん刺されたんだろ!明日は我が身だぜ・・・」
ここ数日白ひげ海賊団の間では、ハルタの話で持ち切りである。先日立ち寄った島で、ジャングルでエースと一緒に遊び回っていたハルタは船に戻ってから体調を崩した。ままよくある話である。
ジャングルには毒虫が多い。ハルタはいつも通りちゃんと長袖に長ズボンだったのだが、いつの間にやら刺されてしまった。それに対し、半裸状態のエースは無事なのだから不思議なものである。
船医によれば命に別条はないそうだが、毒が抜けるまで安静を余儀なくされた。熱も出てるし痛みもあるのでどちらにしろ動きたくても動けないのだが・・・
皆が噂話に花を咲かせている頃、ハルタは船長室の自分の布団で丸くなっていた。背中を刺されたため仰向けになれない。患部が熱いうえに痛い。全くもって不本意な状況である。
額に浮かぶ汗を手の甲でグイッと拭い、溜め息をつく。ジャングルは楽しかったから後悔はしてないのだが、やはりツライ状況は頂けないので虫除け対策をこれからはしようかなどと考えながら目を閉じる。
うつらうつらとまどろんでいると、小さくドアをノックする音が響いた。
一気に現実に連れ戻される。
返事をするのもしんどくて、無言で空ろな目を扉に向けた。
ゆっくり開いた扉からひょっこり顔を出したのは、1番隊隊長のマルコだった。ハルタは布団から少しだけ手を出し、力なく振って歓迎の意を表した。
「大丈夫かよい!?ハルタ!エースからお見舞い預かってきたよい」
マルコは大きな包みをぶらぶらさせた。ハルタは掠れ声で礼を述べる。
「エースは痛く気にしてたよい。自分のせいだってねい」
ハルタはその言葉に身を起こした。声を振り絞ってエースを庇う。
「僕が悪いんだよ!エース誘ったの僕だし・・・」
マルコは慌ててベットに駆け寄った。心痛だけではないであろう苦悶の表情が浮かんだからだ。エースからの預かり物を適当な場所に置いてハルタを寝かし付ける。
「無茶すんなよい!ほら、起きなくていいよい!エースにはちゃんと俺から伝えとくからよい!」
「ん・・・よろしくね。マルコもわざわざありがとう」