エンジェニア・フィクションズ ALISEED-M
□ALISEED-M登場
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「…ここは…私の部屋か?」
女王が気がつくと、そこは自分の部屋だった。
「良かった…」
どうやらタディーアは女王の隣にずっといたらしい
「タディーア、無事か。良かった…しかし…すごい脱力感だ。」
すると、女王の専門医であるホルクスが深刻そうな顔をして現れた
「女王…呪いをかけられたのじゃよ…。魔導士の力を封じられ、戦闘能力や魔法能力の殆どを封印されておる…。」
「なんだと!?では精霊達は?」
「あれから程なくして、魔力が失われ、人間体として身体を維持するのも困難になったため…わしが命だけでも留めておこうと、このクリスタルに精霊達を留めておいた…わしにはこうする事しかできんかった…許しておくれ。」
女王はしばらく驚きを隠せなかったが、ホルクスの肩に手をやり、慰めるように言った
「大丈夫だ…ホルクスのおかげで精霊達は助かったんだ。最善の手段を選んだと思うし、私からも感謝する…。」
「一体敵は何者なんだ…?」
女王は首をかしげた
「それはわしにも掴めんよ。Jという名前しかな。」
実はこの時、既に女王達が闘技場に行った日から数日が経っており、エンジェニアの状況も刻々と変化しつつあった。
エンジェニアには、正体不明の黒装束を纏った者「ディアロウ」が現れ、人々を襲い出した。
しかしその事態は、女王に明かす訳にはいかなかった。
戦う力が失われた女王、しかし、女王ならば必ず無理してでも戦いに行くであろうとタディーアは思い、全ての政府関係者に、異形の黒装束「ディアロウ」の存在を女王に知られないように計らった。