ライア短編 

□1.START
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   夢を見た。

    *


目覚まし時計が鳴る。
旦は目覚まし時計を止める。
大きく伸びをして、ベッドから降りて、着替える。

階段を降りて台所へ。
台所にはいつもどおりのメモ。

“旦、旭。おはよう。温めて食べてください。いってきます。  母”

旦はメモを机の上に置き、母が作ってくれたおかずを、レンジの中へ入れ温める。
静かにレンジの中の皿が回り始める。

“ねむっ”

あくびをする。

   ガタッ

後ろで音がしたので振り向く。
そこには旦を同じ顔をした奴がいた。

「あっおはよー旭。」

それは旦と双子の旭だった。

「おはよー。」

旦、旭の両親は、仕事で忙しくほとんど顔を合わせなない。
父は、海外の会社に勤め、日本に帰ってくることはあまりない。
母は、父がいない間、家庭を支えるため、朝早くから夜遅くまで働いてくれている。

しかし、毎朝2人の朝食を作り、毎回メモを残していってくれる。

朝と夜は、旦と旭、2人きりになる。
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