ライア短編
□4.TROUBLE
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旭が言ったとおり、毎日同じような感じだ。
必ず先に起きるのは旦だし。
ここんとこ算数なんて毎日のようにある。
旭にとっては苦痛としか言いようがない。
今日の天気は、晴れのち曇り。
*
その日も同じような日だった。
1つ違ったのは、ある人物にあったこと。
部活はなかったのだろうか。
2人はその日、月花に会った。
「最近は良く会うね。っていっても二回目だけど。」
ショートカットの髪が風に吹かれてゆれる。
「今日は部活ないの?」
旭が聞く。
「ん〜。あることはあるんだけど、中3って何があるか知ってる?」
“さぁ”と2人は首をかしげた。
「あのね、中3になると、高校受験があるの。テストみたいなもん。」
「テスト〜!?」
勉強が嫌いな旭は、いやそうな顔をする。
「いやでしょ?でもまぁしょうがないことだし。」
「じゃあ月姉は、その受験があるから休んでるの?」
旦が口をはさむ。
「そう。部活は8月に終わるんだけど。」
「今日って6月27日だよね?」
旦が旭に聞く。
「うん。ってことは、あと一ヶ月くらいで終わり?」
「そうなるね。でも文化系は8月下旬くらいまでだから、2ヶ月くらいあるかな?」
月花は“よいしょ”と、かばんを持ち直す。
「勉強大変?」
旦が聞く。
「うん。それなりにね。受験なんて嫌になっちゃう。あっそうそう、言い忘れてたけど、今日はいろいろと書類を書くので早く帰るわけです。」
“ん〜”と2人とも難しそうな顔をする。
「まぁ、いろいろ書くのよ。」
「ふ〜ん。頑張ってね。」
あまり難しそうな話は分からないので、受験の話はそこで打ち切りとなった。
「それよりさ、」
旭が話しを変える。
「絵、描けた?」
「少しね。でも完成までは、まだまだだね。」
月花は肩をすくめる。
「忙しいんだね。」
旦が言う。
「中学なんて、そんなものじゃない?」
「オレ、中学入ったらサッカーとか野球とかしたい!!」
旭が元気よく言う。
「バスケとかは?おれ、バスケがいいけどな。」
旦も反論するように言う。
2人とも、体育は好きだし運動も出来るので、どの運動部に入るか迷っている。
「へぇ〜運動部か。かっこいいじゃん。」
そろそろ分かれ道だ。
「じゃあね月姉。」
「頑張って!!」
二人の応援に軽く手を振って答えた。
「ありがとう。」
そして、くるりと向きを変え家に帰っていった。
そのとき、旦には、月花が悩んでいるように思えた。