捧げ物.
□ワクワク☆武田軍の1日!〜サスケ編〜
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佐助視点
俺様の右にでる忍はこの先出てこないだろう。
いや出てこない。
俺様みたいに安い給料なのに仕事がしっかりこなせてしかも料理、掃除もできる忍なんて。
真「お館さばぁぁぁ!!!」
武「ゆきむるあぁぁぁ!!!」
猿「はぁ…」
しかもものすごいストレスに耐えられる忍なんて。
ワクワク☆武田軍の1日!〜サスケ編〜
猿「大将も旦那もよく飽きずにやるよね…。せめて室内じゃなくて外でやってくれないかな……」
片付けるの俺様なんだけど、と言おうとしたがその前に旦那が障子にぶつかり障子がご臨終した。
むしろ畳も。
猿「もうやだ俺様……」
忍に感情はいらないはずなのに。
なぜか涙が出てくる。
転職。
真面目に考えようかな…。というか、
猿「廊下に穴を空けないで!!この上田城をこれ以上壊さないでぇぇぇ!!」
俺様の叫びは大将と旦那の殴り愛にかき消されたのは言うまでもない。
忍の修行中、教えられたのは人の殺し方と感情の消し方などなど物騒なものばかりだった。
料理や掃除なんて教えられてない。
団子の作り方なんてそれこそいらない知識だ。
戦場でいちいちみたらし団子を作っていられるか。
おむすびにいちいち海苔で顔を書いていられるか。
しかもそのおむすび。
竜の旦那に気に入られて『Hey猿。毎日奥州まで持ってこい』と言われ、思わず殴ったのはご愛敬。
こないだなんて女中さんに『忍やめて板前さんになっちゃえば?』と言われた。『給料いいわよ』と言われ心が揺れたのは秘密だ。
ともあれ、俺様はいろんな意味で最強の忍になったのかもしれない。
大将から割烹着を仕事の報酬で貰ったときは本気で泣きたくなった。
しかも名前入りときた。
猿「はぁ……。俺様、確実に早死にだよね」
イヤだな。
死因が戦死じゃなくて過労死とか。
しかも過労の原因が家事をしすぎたせいとか。
猿「はぁ……」
ため息……今日何度目だよ……。
真「佐助ぇぇぇ!!佐助は居らぬか!!」
猿「ハイハイっと」
真「団子が食べたい!」
猿「ちょ、朝御飯食べたばかりでしょ!」
真「みーなーぎーるぅぅぅ!!」
猿「人の話を聞きなさい!」
武「幸村ぁぁぁ!!人の話を聞かぬとは何事だぁぁぁ!!」
真「申し訳ございませぬお館さばぁぁぁ!!」
猿「もういや!!」
殴り愛は再開された。
今日は武田軍の忍総動員で城の修理だ。
とりあえず必要な材料を揃えよう。
なんだか胃に穴が開きそうだ。
道場なんて燃えてるし…
猿「燃えてる!?」
忍の仕事に消化活動なんてない。
だれか北条の旦那かいつきちゃんか軍神を呼んできて。
真「お館さばぁぁぁ!!」
武「ゆきむるあぁぁぁ!!」
猿「かすがのとこに転職しようかな……」
燃え盛る道場と続く殴り愛。
俺様の呟きはまた大将と旦那の叫び声に溶けていった。
☆