小ネタ.

□決定事項
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窓を叩く雨粒。
木を倒すほど強く吹く風。



『すごい風だね』

「嵐が来ていると言っているだろ」



今日は外で訓練生がチョコボを乗る訓練があったのだが、嵐が来たので中止になった。
チョコボに乗る訓練を教えるはずだった私は暇人に早変わり。
なので私はサロンへ来た。
すると珍しいことに、ソファーに座っているクラサメがいた。



『0組の授業はいいの?』

「自習だ」

『騒いでそうだね』

「お前のところはどうした」

『訓練中止。私の役目無くなっちゃった』

「残念だったな」



そう言いながらクラサメは持っていた教科書をめくった。
次の授業のための準備だろう。



『隣座るね』

「かまわない」



隣に座り、クラサメの手元を見た。
訓練生では習わないような魔法がのっていて、0組はスゴいなと思った。



「次の…」



クラサメはふとしゃべり始めた。



「次の作戦で、私も出ることになった」

『そっ、か』



雨が強さを増した気がする。



「朱雀の全てを出す戦争だ」

『そうだね…この戦争が朱雀の未来を決める』

「朱雀の子供たちに未来を示すため、戦うのだ」



クラサメは教科書から目を離し、こちらに目をやった。
何かを決断したような顔をしていた。



「万が一、憶えていたら」



やめて。
聞きたくない。
だって、そんな、



「あの子たちを、よろしく頼む」




決定事項




きっと死ぬことは決まっているのだろう。
貴方は全てを悟った。
だから貴方は微笑んでいる。
できることなら忘れたくない。
強くそう思う。
だけど、



『ちっぽけな私じゃ、クラサメのこと、忘れちゃうかも』



そう言って、涙を流すことしかできないや。




―――――――
主人公の片思い気味。
クラサメは、恋にまでは発展していないものの、主人公は隣にいてほしい存在。
しかしクラサメたんは例の死亡フラグスーパー乱立タイム←
通常通り回収されてもよし。
はたまた、まさかのフラグクラッシャーが登場でバカップルになってもよし←



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