過去の拍手
□生まれ変わりは伝説の忍
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俺の名前は風魔小太郎。
今は、ね。
前世は21歳のピチピチな女の子でしたー。
今は自分の事を私から俺に呼び方を変えて、どうにか慣れようとしている真っ最中なんですよこれが。
事の始まりは、なんか事故って死んだらそれは神様の間違えでしたスイマセン、テへ☆
みたいなありがちなかんじで死んじゃったんだよね。
それで終わりでよかったのにさ。
それじゃあ可哀想だからって戦国時代へレッツゴーさせられたんだ。
いやいや。
ふざけんなし。
別に良いよそんな無駄な気遣い。
いらないから。
死んでも別に困ることなかったからね。
本当にありがた迷惑だわ。
いや、ありがたくない。
ただ平和な暮らしがしたかったのに……!
戦国時代とかマジで迷惑。
平和の『へ』の字すらない時代ではないか。
神様ふざけんなし。
で、とりあえず開き直って今の人生を楽しもうとしたんだけど、俺、風魔小太郎になってたんだ。
あれ?
なんかすごくない?
無駄にすごい設定じゃない?
伝説の忍だよ?
しかもBASARAの。
だから俺は、設定通りに無口。
俺、女優っていう道があったのかもしれないな。
今さら気付いてもしょうがないけどね。
まぁ姿見ればみんな逃げてくから超ラク。
俺、人を殺したくないし。
血とかマジ無理。
たまに向かってくるやつとかいるけど全部キックで片付けてる。
高校生時代に空手部に入っていた俺に乾杯〜。
あ、誰か侵入してきたみたい。
忍って超スゴい。
現代に忍がいればかなり強いセキュリティになるよね。
ってことで、ちょっと行ってくるわお爺ちゃん!
北「どこに行くんぢゃ風魔!!」
『……』
しゃべれる設定に変えちゃった方が良かったなんて後悔今さらしてもしょうがないよね。
俺、ジェスチャー苦手。
でも頑張る。
いってきますお爺ちゃん!!
北「風魔ぁぁぁ!!」
猿「うわ、早速見つかっちゃった〜」
『………』
うわって傷つくから。
ってか佐助だ。
こないだも来てたよね。
あ、こないだはかすがと一緒に来てたんだ。
超セクシーで女の俺でもドコに目を向けたらいいのか迷ってメッチャ焦ったよ。
いや、今は女じゃないけどさ。
とりあえず、現代だったら軽く刑法に触れるぐらいの露出だったことが印象的だったよ。
ってお二人さん。
北条にはなんもないからね。
無駄足だから。
ドンマイ、かすが。
ドンマイ、オカン。
猿「今、なんか失礼なこと思わなかった?」
『………』
猿「ちょ、無言怖いから。やめてそれ」
忍がこれくらいで怖がんなよ。
戦場の方が怖いわ。
無言が怖いとか感覚がわからん。
猿「ねぇ風の旦那。見逃してくれない?」
クナイを構えた佐助。
困るし。
クナイとか怖いし。
あれだべ。
毒とか塗ってるんでしょ?
痛そうじゃん。
無理無理。
とりあえずクナイを落としてキックをすればいい。
風魔の身体って勝手に危険を察知して動くからすごいよね。
今みたいなどうやって相手を黙らすか、なんてすぐにひらめく。
なるほどね。
コイツは本当に伝説の忍なんだと感心したよ。
ってか殺気を俺に当てないで。
足がすくんじゃう。
猿「ねぇ……」
別にいいかな見逃してもね。
だって俺、困んないし。
松永さんに、「わが社に転職しないかね」って言われてるから。
北条が潰れたって俺困らない。
とりあえず平和ラブだから俺。
だからここで戦うのは回避してほしいんだよね。
『………(コクン)』
猿「え……?」
『………』
猿「それ、見逃してくれるってことなわけ?」
『………(コクン)』
猿「………罠?」
疑り深いな…。
いいじゃん行っちゃえよ。
You 行っちゃえよ。
『………』
猿「だぁぁぁ!!風の旦那の言葉とか考えとかわかんない!!俺様もうイヤ!!」
『………』
なんか可哀想になってきた。
こいつ苦労人だね。
あ、ポケットにさっき織田軍に侵入した時に居間にあったから盗ってきた金平糖が入ってる。
甘いものって疲労とかに効果ありそうだから佐助にあげよ。
チョンチョン
猿「!!」
『………』
殺気立てないで!!
怖いから。
なんにもしないから。
安心してください!!
猿「………なに?」
『………』
猿「金平糖…?まさか毒とか?」
『………(フルフル)』
猿「じゃあなにさ」
『………(ガッツポーズ)』
猿「え?」
『………(ドンマイ)』
猿「もしかして……俺様励まされてるの?」
『………』
とりあえず金平糖を渡せたから帰ろっと。
じゃあね佐助!
シュタ
猿「俺様、そんなに苦労人ってわかりやすいの?ってか怪しい金平糖貰っちゃったし!!どうしようこれ?とりあえず城に帰ってから調べよう。もしかしたら新しい毒かもしれない。帰ろう。北条は危険だな。特に風の旦那。流石は伝説の忍だね。あなどれないや。大将に報告しよ」
その金平糖は調べる前に幸村の腹に収納されたのだった。