ネギまSS

□君の手
1ページ/8ページ

仕事が終わり、家路につく。
その表情は曇っている。


「おかえり〜♪せっちゃん!」


声の方を見ると、愛しい人が手を振っている。

―――ズキンズキン

とっさに右手を後ろに回し隠した。
そして出来る限りの笑顔で


「ただいま戻りました。お嬢様」


お嬢様の顔を見ると、少し心配そうな表情をしていた。

――ばれてしまったか…?

そんなことを考えていたら、ふいにお嬢様の顔が近づく。


「せっちゃん、なんや元気無いなぁ?」


顔を覗き込みながら言うお嬢様に


「そんなことは…少し、疲れただけですから」


小さく呟くように告げると、目を伏せた。


「そか…。ほな、今日はもうおやすみしよか〜」

「はい…すみません」


お嬢様は笑顔で部屋まで導いてくれた。
あまり詮索してこないことに、心底感謝した。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ