ネギまSS
□君の手
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仕事が終わり、家路につく。
その表情は曇っている。
「おかえり〜♪せっちゃん!」
声の方を見ると、愛しい人が手を振っている。
―――ズキンズキン
とっさに右手を後ろに回し隠した。
そして出来る限りの笑顔で
「ただいま戻りました。お嬢様」
お嬢様の顔を見ると、少し心配そうな表情をしていた。
――ばれてしまったか…?
そんなことを考えていたら、ふいにお嬢様の顔が近づく。
「せっちゃん、なんや元気無いなぁ?」
顔を覗き込みながら言うお嬢様に
「そんなことは…少し、疲れただけですから」
小さく呟くように告げると、目を伏せた。
「そか…。ほな、今日はもうおやすみしよか〜」
「はい…すみません」
お嬢様は笑顔で部屋まで導いてくれた。
あまり詮索してこないことに、心底感謝した。