ネギまSS

□Full Moon
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…やはり私は未熟だな

―満月
今夜だけは誰にも会うわけにはいかない
特に0時を回ってしまってからは…
龍宮は仕事で帰ってこないし、部屋に籠もっていれば…


―コンコン―


部屋に響くノックの音
時計に目をやる11時半
いつもの時間
ハッと、鍵をかけていないことに気がついて、急いで扉に向かう


「せっちゃん?入るえ〜」


ガチャリと扉の開く音がする
数センチ開いたところで、扉にたどり着いて扉を押し返した


「せっちゃん?」

「申し訳ございません。今日は…」

「どないしたん?」

「…少し風邪気味で」


嘘をついた
うまいとは言えない嘘を


「そう…大丈夫なん?」

「はい…寝ていれば治ります」

「なら顔だけでも見せて」

「申し訳ございません。今日は…ダメなんです」

「なんで?」

「ですから、風邪…」

「嘘つき」


私の下手な嘘は、やっぱりお嬢様にはバレバレで


「ウチには言えないん?」

「申し訳ございません…」

「…浮気しとるん?」

「は?」


扉を隔てて不安そうな声で問われる
部屋に入れない=浮気ですか…


「誰かおるん?」

「いえ、私一人です」

「ほんまに?」

「本当です」


お嬢様はフゥっとため息を吐くと、くすっと照れたように笑った
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