それでも気ままに。
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「ほら、入れい」
マルコに背中を押されて、その会場に足を入れると
ひときわ大きな歓声に包まれる。
「来たきた!こっちにこいよ!」
呼ばれるままその人の元に向かう。
オレをこの船に招いてくれた、張本人、《火拳のエース》。
「よかったな、あの船から降りれてよ!」
「わわっ」
頭をわしゃわしゃと撫でられる。
…こんなの、久しぶりだ。この、気持ち。
「ここは何も怖くねェから、死ぬんじゃねェよ」
ニカっと笑ってくるエース。
本当にあったけェ…。
オレは流れる涙を堪えて、うなずいた。
そう、先刻まで誰がこんな風になれるなんて想像しだろうか。
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