小説(SKET DANCE)
□多感なお年頃ーキリ編ー
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「ちょ…待っ」
「待てねー…」
後ろからぎゅっと抱き締めると、希里はヒメコの肩に顔を埋めるように首筋にキスをする。
「一愛」
「希…」
ヒメコは身をよじり抗おうとするも、しっかりと抱き締める希里の力には敵わない。
希里はヒメコを自分の方に向かせると口を塞ぐようにキスをする。
「ん…」
希里とキスをする度、ヒメコは体が痺れるような甘い感覚に捕らわれた。そのまま希里を受け入れ、背中に手を回すと深く甘いキスを繰り返す。
(あかん…もう何も考えられへん…)
力が抜けるようにくずれるヒメコを抱き上げると、希里はベッドに座りヒメコを自分の膝に乗せた。
ヒメコは肩で息をしながら熱っぽく希里を見る。
希里の大きな手がヒメコの頬を包み、親指が唇に触れる。
「誘ってるみたいな顔だな」
「アンタのせいやん」
希里はブラウスのボタンに手をかけ、白くキメ細かなヒメコの素肌がだんだんと露になっていく。ドキドキという心音が聞こえそうなほど、お互いの鼓動が早く脈打つのがわかった。
「なんや、ごっつドキドキする…」
「初めてじゃないのに?」
「あほぅ…」
どちらともなくキスをすると、ゆっくりと体を重ね、お互いを求めていった。
―…
「なぁ…希里」
「ん?」
ベッドの中で希里に抱き締められながらヒメコが見上げる。
「アタシのどこが好きなん?」
「…。そうやって直球で裏表がないトコ」
「ばかにしとるやろ」
「そうか?素直ってことだろ」
希里は笑いながらぎゅっとヒメコを抱きしめ耳元でささやく。
「あとは…、柔らかくて良い匂いがして気持ちイイとこ」
「ばか…」
ヒメコは希里の胸に顔を埋める。
「アタシばっか好きなんかって心配になんねん」
「そんなことねぇよ」
「ホンマに…?」
希里はヒメコの頭をなでながら、おでこに優しくキスをする。
「愛してる」
ヒメコは驚いた顔をするとすぐに嬉しそうに笑った。
「なんやくすぐったいわ」
「じゃあ、言わせるなよ」
希里はヒメコの鼻をつまむとくるりと背を向け眠りについた。
「アタシもごっつ愛しとる」
後ろからぎゅっと希里を抱きしめヒメコもゆっくりと瞼を閉じた。
まだ少し肌寒い、春の夜の出来事―