小説(SKET DANCE)
□恋せよ、少年少女ー後編ー
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「忍者って…加藤希里?」
「…そだけど」
「うーん、イケメンやけど…好みとはちゃうかなぁ」
「ふぅん、そか」
ヒメコの回答を聞いて心なしか安心した表情のボッスンはスクっと立ち上がると大きく背伸びをする。
「まぁ、ヒメコのタイプなんてどーでもいいけど」
「ハァ!?なんやともっぺん言うてみぃ」
「とりあえず窓枠はずせないか試してみようぜ」
「へっ?あ、あぁアレな」
ボッスンにうまく受け流され、拍子抜けしたヒメコはボッスンが指を差す窓枠の1つを見た。
いくつかある窓のうち1つ、窓の鉄格子が曲がっているものがあった。そこのネジが緩んでるかもしれないとふんだボッスンはヒメコに提案し、2人でその下に跳び箱を移動させる。
「ってことでヒメ姉さんよろしくお願いしやす」
「アンタな…アタシをなんやと思てんの」
「いやいや力仕事はヒメ姉さん担当かと」
「あとでしばいたるからな全く」
ブツクサ言いながらヒメコが跳び箱にのぼる。
ガタタ…ギシッ
ヒメコが少し力を入れて窓の鉄格子を動かしてみると確かにネジが緩んでるような感触がした。
「んー、確かにいけるかも」
「ほんとか…!?っ」
ヒメコが下で跳び箱を支えているボッスンを振り返るとボッスンが返事の途中で言葉をつまらせ顔を赤らめた。
「?」
「いや!違う!見てねーから!」
「へ?」
即座に目をそらすボッスンの態度から、ヒメコはボッスンの位置からパンツが丸見えだったことに気付く。
「は…はよ言えや!アホッ」
「ちょ!あぶねーって」
ヒメコがスカートを押さえながらボッスンの方を向いた瞬間にバランスを崩す。
「きゃあっ」
「わっ」
あわててボッスンが抱き止めるもヒメコの落下の勢いで抱き合う形になりながらエバーマットに倒れこむ。
ボフッ
「いってぇ」
「…ったぁ…ん?」
ヒメコが顔をあげると真下にはボッスンの顔。
ちょうどヒメコがボッスンに覆いかぶさるような格好で腰にはボッスンの左手、右手は…
むに。
ヒメコのお尻をしっかりと掴んでいた。
「きゃあッ///」
「わ、わざとじゃねぇ!」