小説(その他)

□君に愛を
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「夜天、今日はいつにも増して静かですね」
「さすがに眠いんだよ…」

昨日も夜遅くまで仕事が続きこれで3日間まともに寝てないスリーライツのメンバー。
それでも星野だけが元気にうさぎに絡んでいる。

そんな様子を横目に大気はいつもより一際テンションの低い夜天に声をかけた。


そこへ…

「夜天くーん!」


愛野美奈子が元気いっぱい笑顔満開で現れ、夜天は大きくため息をつく。


「昨日の深夜生放送見たよ!皆かっこよかったぁ〜でね!」
「あのさ、愛野…」

テンション高く話しかける美奈子に夜天が「今日はちょっと疲れてるから」と言いかけた時
大気が間に入った。


「愛野さん、良かったらあちらに座って一緒に話しませんか?」
「大気さん・」


美奈子の目は一気に・マークでいっぱいになる。
夜天の体調を気遣った大気が空気を読んで美奈子を少し離れたベンチへと誘導した。


…のだが。



「ちょっと待って」
「!」


夜天が美奈子の腕をつかむ。
驚いた美奈子は大気の顔をみて笑顔で頷くのを確認してから、改めて不機嫌そうな夜天の方を振り返る。


「美奈は俺に用事があったんじゃないの?」
「え?あ、うん」
「じゃあココじゃ目立つから、行くよ」
「えぇ、ちょっと夜天くん!?」


言うが早いか夜天はそのまま美奈子を引っ張り屋上へと続く階段をのぼって行った。


「やれやれ、ヤキモチ焼く位ならはじめから素直に受け入れればいいのに」
「んー?大気なんか言ったか〜?」
「いえ何でも」


状況がわからず不思議そうに首をかしげる星野を背に、大気はクスっと笑いながら2人の背中を見つめた。
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