小説(SKET DANCE)
□思春期未満お断り!
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「…え?これは…?」
固まるボッスン。
「いやーーっ、違うねんでっ!これは倉庫に落ちてて拾っただけで」
真っ赤になりながらボッスンに掴みかかるヒメコ。
『あぁん、先輩だめぇ!』
『ひめ…!』
一際声が大きくなったクライマックスシーンに、思わず2人とも画面にくぎ付けになる。
そして絶頂をむかえる画面上の2人。
『ひめ、愛してる』
『せんぱ…ゆぅすけ先輩…あたしも…』
「…」
「…///」
ボッスンを掴んだ手を離し、両手を顔にあて真っ赤になって俯くヒメコ。
「えーと、あの…」
「あー何も言わんでいい。もう、最悪やーっ」
「いや、拾っただけなんだろ?」
「そんなん言うても恥ずかしすぎるやろ!」
ボッスンの言葉に顔をあげてキッと睨むが、目があった瞬間なぜかボッスンの顔が赤くなる。
「…」
「…」
皮肉にも主人公たちの名前が自分たちと同じだったため、妙にお互いを意識してしまう。
「……まぁ」
「…?」
「オレ達も高校生なんだし、別に見ても悪いもんじゃねーと思うけど」
意外なボッスンのコメントにヒメコは驚く。
「…ア、アンタは」
「ん?」
「その、こういうの見るん?」
「うーん、まぁ…、自分では持ってねーけど見たことはあるよ」
「…興味あるん?」
「直球だな。んーそれなりには…」
ポリポリと頭をかき目をそらすボッスン
「ふぅん…そか」
(ボッスンも普通の男の子なんやな)
「…」
「…」
(アカン、なんか変な空気になってもうた)
上目遣いにチラっと様子を伺うヒメコの視線に気づいたボッスンは一拍おき
「俺を僧とでも思ってたのかよ」
「いや、アカツノチリ毛虫」
「なにそれ!虫?オレ虫??」
「十分やろ」
「…」
ブハっとお互いふきだした。いつものやりとりにヒメコはほっと安心する。
…が
「お前だって変わんねーだろ」
「えっなに?アタシも虫ってこと!?」
「いや、こーゆーの興味ないって思ってたけど?」
ボッスンがビデオテープを持ち上げ、ニヤっと笑う。
「!!それはやな…たまたま…」
「つけたらヤッてただけ?」
「そうや…けど」
「けど?」
「…興味ないわけじゃないで一応…女子高生やし」
「ふぅん」
ボッスンの手がヒメコの肩に触れる。突然のことに、びくっと反応しヒメコが見上げるとボッスンが真面目な顔で見つめていた。