小説(SKET DANCE)

□キミの温もりー後編ー
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「よっと」


両手にカップを持ったボッスンが部屋に入ると同時にふわりと甘い香がただよう。

その美味しそうな香りに思わず先程までの恥ずかしさを忘れヒメコはベットから起き上がった。


「ほい、ホットチョコレート」
「おぉ、うまそうやな」


ヒメコは嬉しそうにカップを受け取り、ふぅふぅと冷ましながら飲む。その様子を見てボッスンが笑う。


「女って甘いもん好きな」
「ボッスンも割と甘いもんいけるやん」
「そうかぁ?」


そう言ってるボッスンもしっかり自分の分作ってるやん!とヒメコがツッコミ、2人して笑った。


「よっこいしょ」


ボッスンがゆっくりと床に腰を下ろす。それに気づいたヒメコはゴホンと咳ばらいをした。


「あ、えと…ボッスン、こっち座ってもええよ。床だと痛いやろ」
「へ?あ…あぁ」


ポンっと自分の隣を軽くたたくヒメコに促されボッスンはベットに座る。


ギシ…


「…」
「…」


ベッドのスプリング音が急に緊張した空気を醸し出し、さっきまで笑いあってた2人の間に沈黙が走る。


(アカン…なんか変な空気になっとる)
(やべーなんか喋んないと落ちつかねぇな)


「「あの…」」


2人の声が重なり、振り向いたお互いの顔が思ったよりも近いことにまた沈黙する。


「…」
「…」


恥ずかしそうに目を伏せたヒメコの顔をボッスンは玄関でのかけ合いと同じようにまじまじと見た。


(コイツ黙ってると綺麗な顔してんだな…)


「!!」


ボッスンの手がヒメコの頬に触れる。

白い肌に映えるように赤らんだ頬、いつも丁寧にリップクリームをぬっている艶やでぷっくりとした形の良い唇をボッスンは親指でなぞる。


ビクッ


ヒメコは反射的に顔をあげ、熱をもった潤んだ瞳でボッスンを見つめる。


ドキドキと2人の心音が高まり、何も言わず見つめ合う2人の距離が近づく。


「ボッス…ん」


喋りかけたヒメコの唇をボッスンの唇が塞ぐ。

ボッスンの思いもよらない行動に驚いたヒメコは目を見開く。


「んんっ…」


徐々に深くなる口づけ。

その甘い痺れにヒメコは抵抗もせずにボッスンの服を掴み、何度も唇を重ねた。
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