小説(SKET DANCE)
□保健室の誘惑
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「なんで…」
「ん?」
「なんで…その…キ、キスなんかしたん?」
真っ赤になったまま俯いたヒメコがつぶやく。
「顔が近くにあったから」
「なっ!この女たらしが!」
希里の言葉足らずな言い分にいきり立ったヒメコが殴り掛かるも、希里はその腕を軽々掴みそのままヒメコをベッドに押し倒す。
「別に女なら誰でもいいわけじゃねぇよ。アンタだから」
「…」
希里の真面目な表情に、ドキドキとヒメコの心臓が波打つ。
(なんでや…なんでこんなドキドキすんねん)
希里の顔がゆっくりと近づく。
「抵抗しねーの?」
「…出来ひんわ、アホ」
触れるように唇が重なる。
「ん…」
次第に深くなる口づけ。
遠くで鳴るチャイムの音も下校する生徒たちの騒がしい声も聞こえない位、その甘い痺れにヒメコは溶けそうな感覚をおぼえていった。