さん
□BL+SH+M
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「ブルース殿…これは…」
「…無防備な、」
二人の視線の先には一升瓶を抱えたまま眠るメタルの姿。
先程まで晩酌をしていたためマスクも外れている。
「拙者たち以外の者が来たらどうするのやら、」
「それもそれで見物だがな」
「しかし、他の者に見せるには惜しい。これは拙者たちだけに許された特権故…」
「そうだな、だが何故メタルは口が無いなどと嘘をつくのか。美しい顔をしているのに勿体ない。」
「メタル殿にも色々あるのでござろう。」
ブルース殿がそれを外さぬように、
そうサングラスを指差しながら柔らかく笑うシャドーにブルースはやかましい、と悪態をつき酒を一気に煽った。
「機嫌を悪くされたか?」
「ふん、忍風情が…」
「ふふ、いかにも忍でござれば」
「…メタルにだけは手を出すなよ忍」
「こわい、こわい、そんな睨まずともいいではござらぬか」
「ふざけるな」
クスクスと楽しげに笑う相手に気を悪くしたブルースは睨みを効かせるとシャドーは不敵な笑みを浮かべた。
「約束は致せぬなぁ…」
「…お前、」
「ふふ、拙者はメタル殿を慕っている故、手を出さぬとは申せぬな」
「いつから」
「秘密でござる。
それに拙者からすれば先程のお言葉、そっくりそのままブルース殿にお返ししたく」
「……」
「メタルに手を出すな。彼の君は拙者がいただく…」
「宣戦布告か?」
「ふふ」
張り詰めた空気の中、先程まで寝ていたメタルが目をさまし起き上がる。
「メタル殿、起きられたか」
「すまない…眠ってしまった、」
「あまり無防備なお姿は晒さぬ方がいいでござるよ?何時、誰が来るかも解らぬでござろう」
「ああ、気をつける」
「メタル、」
「なんだ、っ!」
顎を掴み軽く触れるだけのキスをする。
急にされたメタルは目を見開きブルースの胸板をおもいっきり押し返す。
「酔いがまわったのか?」
「…そうかもな」
「ったく…」
シャドーに視線を向け、口元を吊り上げる
不快そうに表情を歪めた相手を見て更に口元が緩む。ざまぁみろ。
しかし直ぐに表情をいつものような腹の立つ笑みへと変え、何の音もなく口で言葉を紡ぐ
「…ほぅ、言ってくれる」
「何がだ俺も混ぜろ」
「メタル殿、酒はまだある故…飲みなおさぬか?」
「ああ」
"貴様のような狡い真似はせぬ"
これから楽しくなりそうだ。