さん

□Q+M+F
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「これは…」

「はめられたな」

「こんなとこで犬死に何て御免だぜ…?」


眼前には大量の劣化戦闘機。
任務の資料にはそんなことは書いておらず、この状態をどう打破するかを休む暇なく考える

冷静に努めようとするも流石に無理な話。
打開策も出てこず舌打ちをする。

「二人とも、今どれだけエネルギーがのこっている?」

「俺はまだ余裕。」

「半分ってとこだな」

「そうか」


何かを考えているような仕種のメタルを横目に劣化戦闘機達を見つめる

すると背後から衝撃を感じ後ろを振り返ればメタルが俺とクイックにコードを繋ぎ何かをはじめた


「こんな時に何してんだよメタル!!」

「こんな時しか使い道がないだろうに」

「…は?なに言…、」

「メタル!?」


エネルギー残量がみるみる増える
コイツなに考えてんだ、んなことしたら


「俺はお前らと違い甲装の強度は飛び抜けて低い。
ならスペックの高い奴らが優先して生き残るべきだ。」

「なに言ってやがる!!」

「ここからあそこの隙間に向かって突っ切れ、そうすればエアー達がいる
そのまま基地に帰り、情報が隠蔽されていた事を博士に報告。…わかったな」

「お前は、どうするんだよ…っ」

「エネルギーが少しあればお前らがあそこに着くまで庇うことができる。できるだけ迅速に行動するんだぞ」

「答えろ!!」


話をそらすメタルに声を荒げるも、変わらぬ様子でブレードをかまえた。


「命令だ、行け」

「こんなのおかしいだろ!」

「お前もいなきゃ意味ねぇ!!」

「行けと言っている!!命令無視をするならば今すぐここで貴様らを斬る。」


その目が本気で、押し黙る


「いいか、不幸中の幸にこいつらは動きが遅い。俺が道を開ける、その隙にクイックはフラッシュをもって駆け抜けろ」

「…っ、了解」

「フラッシュはクイックに万が一の事があったらタイムストッパーを使え。いいな?
効果がきれるまえにクイックを抱えてエアーのもとに行くように」

「…了解」

「構えろ、いくぞ」


何枚ものブレードが劣化戦闘機を薙ぎ払っていく。

道が開けるとクイックに抱えられ、一気にそこを駆け抜けた


「メタル!!」

「クソッ!!」


後ろを振り返るがメタルを確認することができない。
わかるのは、メタルが居た場所に劣化戦闘機が集まっていっているということだけだった


「二人とも早くこっちにくるんだ!!」


エアーに呼ばれ、急いで外へと逃げる。
そこにはクラッシュとヒートも一緒にいた。


「クイック、フラッシュ無事だったんだな!!」

「よかったぁー、はい!E缶!!」


E缶を渡されそれを手渡され、それを受け取った瞬間
クイックが今までに見たこともないような怒りを孕んだ表情で唸った


「エアー、メタルはどうすんだ…」


低く響く声でクイックがエアーに尋ねる

手を強く握って、何かに堪えるように


「とにかく今は戻るぞ」

「こんだけいりゃ何とかなんだろ…?何でここに来てすぐ戦闘に参加しなかったんだよ!?そうすりゃぁメタルだって助かっただろーが!!」

「お前達の居場所が分からずむやみに攻撃をしてみろ、お前達も巻き添えてしまう」

「なら今からでも間に合うだろ!!はやくメタル助けに行こうぜ!?なぁ!!」

「戻るんだ!!」

「っ!」


滅多に聞かないエアーの怒鳴り声にクイックだけじゃなく俺や他の二人も口を一文字に結ぶ。

しばらくしてエアーは俺に振り返った


「フラッシュ、今回の被害報告を簡単に説明しろ」


ふざけんなよ、こいつ俺に言わせんのか…?
わかんだろ今この現状見ろよ誰が居ない?わかんだろ…


「…クイックマン右アーム断線、起動に問題なし。フラッシュマン甲装にひび割れ及び腰部部品破損、起動に問題なし。
…メタルマン…全身大破の恐れ…生存の有無確認不可…
……以上」

「…そうか」


説明を終えればクラッシュは目を見開き、ヒートは今にも泣き出しそうな表情でこちらを凝視していた


「…かしいよ」


弱々しく、クイックの声が響いた


「おかしいよこんなの!!なんでだよ!なんで…ッ、
…かしいだろ…!!変だよ…っ、犠牲なしに何も出来ないなんて、おかしいよ…!!」


嗚咽を噛み殺すクイックに、思わず目を逸らした




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