よん

□F+Q
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馬鹿なんじゃないかと思った
一人で突っ走って何時も回りなんて見ず、自分中心で、

だけど身勝手さやその他諸々を覆い隠す程の功績があったから大体の勝手は許されてた訳で、

だがどうだろうか、
いまのこいつはただの鉄屑。

何故こうなったかなんて今更言う程でもない、好き勝手にやったから。

所謂、自業自得ってやつだ。
こいつがゴミになったのは誰のせいでもない、自分のせい。

ざまあみろだ

こいつ自身、まさかこうなるなんて思ってもいなかっただろう
頭カラッポのくせしてイキがってるから…

俺の言うこと聞いてりゃよかったのによ
そうすりゃこんなことにもならずにすんだし任務だって苦戦を強いられることはなかっただろう。

つか、こいつが壊れなきゃ何も俺が大変になることはなかった
ああ、腹がたつ。気に食わない。

汚れて、ひび割れていても整った顔とか
勝手なことばかりしてるにも関わらず兄機に可愛がられたりとか
しょうもないカラッポの頭なのに弟達に慕われてるとか

全部もってる。
博士の最高傑作と言う肩書きも、

「てめぇの自慢の顔に、でっけぇ傷ついてんぞ」


ひび割れにそって指を滑らす
起動していたなら、すっげえ嫌そうな顔されんだろうな。

そうおもって苦い笑いを零す
こいつはもう、動かない。動くことなんて、ない。


「なにが最速最強だ、簡単にやられてんじゃねぇかよ」


左視覚センサから派手にぶち抜かれてなにが最速最強だ

自意識過剰
自分を過信しすぎてるからこんな事態になったんだよ


「んと…馬鹿だよ、お前」


胸部から込み上げて来るじわじわとした息苦しさ
視覚センサが締め付けられるように痛い
喉を掻きむしりたくなるような衝動


「…はっ、泣いてんのかよ…情けねぇ…」


視覚センサを掌で覆い、視界からクイックを消す

今更気づく、
いや、ずっと前から気づいてた。

おれはこいつをあいしていたんだって、


今現在も、ずっと先も…




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