いち

□FQ
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フラッシュが任務に行ってからもう五日目…

来ていた通信も、今では届かなくなって、不安が胸を支配する。

もしもフラッシュに何かあったとしたら、そう考えただけで泣き出してしまいそうになる


「…クイック」

「め…た…」


いつの間にいたのかメタルは、扉を開け、縁にもたれ掛かりながら心配そうな声をあげこちらに近づいてくる


「最近部屋から出てきてないじゃないか、皆心配しているぞ?」


ゆっくりとベッドに腰をかけ、俺の顔を覗き込みながら、頭を撫でてくる手にいくらか気持ちが安らぐ


「フラッシュのことか?」

「ん…」

「寂しいのか、」

「あいつ…二日くらい前から連絡全然とれなくて、も…しかしたら何か、あったんじゃないかって」


発する音声は段々と震えを増していく。堪えようとベッドシーツをギュッと握りしめてみるが、

どうしよう、泣きそうだ。


「うん、…待つのは辛いね。わかるよ」

「お前に何が…っ」

「わかるよ、俺だって待ってる人がずっといるさ、…だけどそいつはもう戻って来ない。でも、フラッシュは…ちがうだろ?」


だから、泣くことはない。
せつなそうな笑みを浮かべながら、また俺の頭を撫でた。

すると急にイヤーポートに手を当てるものだからどうかしたのかと身を起こす



「噂をすればなんとやら…待ち人がお帰りのようだよ、クイック?」


早くいっておやり
その言葉に頷いて、その場から駆け出す

はやく、はやく、

徐々に待ち焦がれていた青い機体が目に入る

少し、後少し、


「フラッシュっ!!」

「クイッ…うぉ!?」


飛びつくように抱きしめる

本物の、フラッシュだ。

確かめるように何度も何度も抱きしめる角度を変える


「帰ってくんのおせーよ」

「意外とてこずった」


苦笑いをするフラッシュから離れ軽く胸板を殴り
ジッと相手を睨みつける


「無事で安心した」


フラッシュは照れ臭そうに、頬をかきながら心配させて悪かった、と小さく呟く


「許さねえよ、ハゲ」


またフラッシュに抱き着いて、そいつの匂いで機体をいっぱいにした




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