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□ある朝のこと。
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朝―臨也の家にて。

「何だ、これ…」
驚愕、その時の臨也の心境はこれに尽きた。
なんせ、起きたらすっかり体つきが変わっていたのだから。
艶やかな黒髪は腰まで伸び、真っ平らだった胸には大きく形の良い双丘。妖しげな色気を放つ絶世の美女。
しかし本人はそんな容姿など全く気にしていないようで、思考は完全に原因の模索に傾いていた。
(新羅の所には最近行ってないし…あとは……)
そこまで考えてふと顔を上げ、ベッドから飛び降りキッチンへ走る。
そこには昨晩飲んだビールの缶が1つ。それで十分だった。
臨也は事の元凶の人物の名を忌々しげに呟いた。
「九十九屋………っ」
そう。そのビールは一週間前、臨也と同じく情報屋である九十九屋真一から送られてきたものだったのだ。
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