毛探偵
□千秋の想い
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俺は驕っていた。
浮かれて、舞い上がって、自惚れていたんだ。
どんなに頼りにされても、どんなにしっかりしていると褒められても
俺はたかが十六歳の子供に過ぎず
あの人は、二十三歳の大人だったのに
他でもない自分が、あの人を守り切れるのだと、過信していたんだ。
その結果俺は、己の無力さを叩きつけられ、いかに未熟な子供なのか思い知らされ、そしてあの人を泣かせ苦しめたのは他でもない自分なんだ、と見せつけられた。
無知というのは、本当に罪だったんだね。
俺は、守られてるのにすら気付けなかったよ。
因幡さん