短編

□たまにはこんな夜も
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「ねえねえ、まあくん」

「ん、何」

「腕枕して?」

「はいどーぞ」

「あ、そういえば今日ね、いのっちのお家お邪魔してきたの」

「え、なんで?今日俺井ノ原と仕事一緒だったけど」

「うん、けどそれ夕方からでしょ?昼間。暇だったから押し掛けた」

「うわあ…迷惑なおじょーさまですね」

「だっていのっちが、俺んちくるー?って。うちの子供と遊んでやってよって言うからさ」

「ああ、井ノ原んとこの子、かなり菜奈美になついてるもんな」

「そうなの、すっごく可愛いよね!」

「子供好き?」

「うん、だいすき!」

「…欲しい?」

「もちろん、いずれは…ね?」

「今は?」

「…ごめん、今日はもう眠い」

「なんだよ…絶対「今つくろっか」みたいな流れしてたのに」

「え、してないよ!普通に子供の話してただけじゃん」

「つくる?」

「だから今日は駄目!疲れてるの!」

「つまんない」

「そんないじけた顔したってあたしはもう寝るからね」

「じゃあいいよ、寝てるとこ襲うから」

「あのねえ…」

「ん?何顔赤くなってんの?」

「なってません!おやすみなさい!」

「はいはい、おやすみなさい」

「………」

「………」

「………」

「んな期待しなくたって菜奈美が寝たら襲ってあげるから」

「本っ当にやめて!!」




たまにはこんな夜も





 

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