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□ようこそ、ゲルテナの世界へ
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今度のお客様は小さな女の子。

長い茶色の髪に、クリッとしたアメジストの瞳。

手にした薔薇は小さな野薔薇。



好奇心旺盛で、元気いっぱいの子の子が最初に出会ったのは真っ赤な薔薇を持つ「イヴ」という少女。


「初めまして!私アイっていうのよ。」
「…そう、初めまして。」

幼い少女の手を取り、美術館の中を歩き出す。


不気味な女が追ってくる青い廊下、

虫たちが集う緑の回廊、

猫の顔が絵がかれた茶色の間、


幼い女の子…アイは進んでいく。

たくさんの怖い思いをしながら、それでもイヴの手を引いて行く。








二人はどんどん奥へと進んでいく。

奥へ奥へと進むうちに二人はギャリーという青年と出会う。
彼は幼い二人には動かせない物を動かしたり、難しい字を読んでくれる、とても頼りになる存在だった。



最後に、彼らはメアリーと出会う。

素敵な美術館。
面白い絵や、美術品が並ぶこの世界は面白いでしょ?

そう言う彼女の案内で、アイはどんどん先へと進んでいく。

石の茨が襲ってくる廊下に、傘をなくした乙女のいる部屋を通り、

落書きだらけのスケッチブックの世界へと…









「…アイ?どうやってここに来たの…?」

「…メアリー…」

「…って、……ここから、出ていけぇ!!!」





黄色い薔薇の描かれた誰もいない額縁が飾ってある部屋。

メアリー達のいない間にそこへ入っていた少女が手にしていたのはくすんだ銀色の古めかしいライターだった。




怒り狂うメアリーと、彼女の感情に共鳴して彼女に襲い掛かってくるエヴとギャリー。

感情を失くした彼らから振り下ろされるパレットナイフを振り切って、アイはただライターの火を付けた。






 
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