WAITS

□Devil's_dozen.
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足場なんて何処にも無い



足元には水だけある



不気味な青紫の空を映している水だ



自分と空 ―ついでに水も―



それだけに色が宿っている



この世界には色が無い



恐ろしく静かだ



孤独だと感じられる



ところどころから出ている影の枝のようなモノ



なんなのかわからない



知る必要性も感じない





変な扉を二個くぐった



おかしな扉だ



ドアが無い扉だった



一つは真っ白な空間から七ツの剣がある空間へ



そしてそこから扉をくぐり、今いるこの空間へ



そういえば、ここに来てやっと『色』を見つけた



ここに来ると空は青紫に色づいていた




陸地



という表現は些か不適切かもしれない



だけど陸地に足がついた



水の上を歩いていただけに、変な安心感がある




「おはよう。こんにちは。こんばんは。さよなら。久しぶり。はじめまして」




もう一個色を見つけた



目だろうか



真っ赤に光っている




誰?



「俺は俺だ」



なら――も――だよ



「そうか、それは悪かった」



別に気にしてない



「ならよかった」



君はなに?



「忌まわしき存在とでも言おうか」



忌まわしき、存在?



「忌むべき数の下に生まれた存在だよ」



それは辛いの?



「あぁ……。"辛かった"」



え……?



「君も俺と一緒さ」



――も忌むべき存在?



「その通りだ。俺は忌まわしき存在としてここに"居る"。ただそれだけだ。影は自分に見合う存在を見つけなければどうしようもない」



見合う……存在



「わかるか? ――だよ」



――だったらどうするの



「嬉しいだけさ。孤独な者が俺以外にも増えるのだから」



――も孤独になるの?



「嫌か」



うん



「ならこちらへおいで」



わかった





どうすればいい?



「なに、簡単さ」
















「左をよこせ」











――――――――!!!!!!!!!











「ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!」






―――ッ―ァァアアアアア!!!!






「簡単だろ! 見ていけ! これからお前は地獄を! 苦しみを! 恐怖を味わって生きる! 左は常に忌みがある! その代償としてだ――!」






「孤独を味わって死んでいけ。最早、お前に幸せなど無いと思え。小さな小さな」














―――俺の―――――





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