Heaven's Lost Property

□はじめてのおつかい
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はじめてのおつかい

みかくにんせいぶつへん。




今日のお題だよぉ♪
カレーの材料を買いに行こー!

買うものは、まずにんじん、たまねぎ、じゃがいも、おにく、カレーこ(ラグカレー)だね


吹出しはわたし。春原咲がやらせてもらいまーす♪


――*――



空美町商店街。イカロスは天神に言われた通り、きちんと徒歩で来ていた。



その後方に怪しい影が一つ。




(ついついついて来てしまった……、『つい』が多いな…)




天神輝だ。イロイロと心配になってしまいついて来てしまったのだ。まぁ、仕方ないのではないだろうか。



本家『はじめてのおつかい』の親御さんの気持ちを思い浮かべてもらうのが一番なのでは? と提案させてもらおう。




(しかし……あいつ、何やってんだ?)




天神が見守るなか。イカロスは八百屋にあった西瓜を撫でていた。そのフォルムが気に入ったのだろうか。全方向から西瓜を眺めている。




(西瓜の何が気に入ったんだ? アイツ……。っつぅか、カレーの材料、ちゃんと買えんのか?)



にんじんはクリアーだね。



じゃがいももオッケー。



たまねぎは……、近い、かな?



実際、たまねぎは外し過ぎていた。それはもう、天神が隠れているのを忘れて、たまねぎの『た』の字もねぇだろ! と叫びたくなるくらいに。



ちなみに買ったのは糸コンニャクだ。春原が、近いかな?と悩む必要はどこにも無いことが分かるだろうか。




(まぁいい。たまねぎくらい何とかなる……。問題はそう。肉だ。カレーに肉は絶対だからな)




天神の懸念は杞憂に終わる。イカロスはきちんと『肉』を手に入れる事ができた。




(………ほほう)




生きている雛の肉を。



雛はピヨピヨと、魔の手から逃げようと必死にもがいている。




(……なるほど、カレーには新鮮な肉を使うんだな? 台所でこう、グシャッとヤるわけだな? なるほどなるほど)




天神は二回頷いた。どうやら彼はイカロスの思惑に納得し―――




(なんて、なるわけねぇだろぉぉぉおおおお!!!! ざけんじゃねぇぞぉぉぉおおおお!?)




―――なかったようだ。




(いらない……。肉はもういらない。離してあげて。お願い。――ちくしょう、みてらんねぇよ……。もう帰る!!)




半泣きだった天神は、全速力で家路についた。



さて、事の顛末はどうなったのだろう。







見る勇気のある者は見ていただきたい。

――*――

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