落乱(小説)

□家
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「きり丸は早起きで偉いな」
(あんたは学園が休みだからって、ダラダラしすぎなんです。)
「きり丸は何でも作れるから助かるよ。でも、たまには雑炊だけじゃなく魚も食べたいな」
(贅沢は貧乏の敵です!しかも、まともな料理も作れないなんて僕が来るまではどうやって生活してたんですか?!)
「きり丸、休みは始まったばかりなんだから掃除は少しずつしないか?」
(こんな埃だらけの部屋じゃ落ち着いて内職もできません!やるときは徹底的にやりますよ。)
「きり丸、布団が一組しかないんだが…」
(どうせ休みの時しか使わないんだから一組で一緒に使えば良いんです♪)
「きり丸、こんなにアルバイトを引き受けてどうするつもりだ!」
(お手伝いありがとうございます♪)
「きり丸」
(はいはい。今度はなんすか?)
「表札の名前にお前の名前書いておいたからな」
(ぇーと…表札?に何ですか)
「…お前の名前を書いた」(…ここ、先生の家ですよ?)
「お前と私の家だ。こんな狭いとこじゃ不満か?」
(先生と僕の家…)
「顔が真っ赤だぞ?」
(せ、先生こそ真っ赤じゃないっすか!?)
「うるさい!どうなんだ、不満なのか!?」
(不満じゃない…です)
「じゃ、どうなんだ」
(いきなりだったから驚いちゃいました…)
「泣く事ないだろう?!」(な、泣いてなんかありません!汗です)
「眼から汗が出るのか?お前は」
(ほっといてください!…でも、嬉しい…です。ありがとう…ございます)
この幸せが少しでも長く続きますように…

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