落乱(小説)

□空
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「乱太郎!」
学園の庭を掃除していると、どこからか声が降ってきた。
キョロキョロと辺りを見回しても見つけることができず、仕方なくその声の主を乱太郎は呼ぶことにした
「きりちゃん、隠れてないで出ておいでよ!」
呼ぶと、きり丸は上から降りてきた。どうやら、木の上にいたらしい。
その顔は少し大人びたものの忍術学園にいた二年前と全く変わらず無邪気なものだった。
「久しぶり!1ヶ月ぶりだったかな」
「この前、しんべヱと三人でお団子食べに行ったでしょ。だから、二週間ぶりだよ。」
「二週間、、、そんなもんだったかな」
どうやら、本気で言ってるらしい。
三年の終わりに、きり丸は忍術学園をやめ、タソガレドキが新たに開校したタソガレ学園へと入学した。
タソガレドキの忍び組頭・雑渡昆奈門に引き抜きされたのだという。家柄などは関係なく忍としての素質があるものだけが入学を許される学園である。入学金も授業料も食事代も免除。その分、忍術学園やドクタケ教室のように生ぬるい教え方はしない。ついていけない者は即刻退学という厳しいものだ。
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