落乱(小説)

□想い
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「土井さんとこのきりちゃん!本当、美少年になったわよね」
「そうそう!もう、この間繕い物のお願いしたら笑顔でお礼言われちゃってね。もうちょっと(私が)若かったら絶対口説いてたわぁ」
「女の子が放っちゃおかないわよ!ドケチだけど、あのくらい愛想良くて美少年なら貢ぎます!って女がたくさんいるわよ。」
掘り掃除をしているときにご近所のおばちゃん達が年甲斐もなくそんな話しをしていた。この前の掘り掃除はきり丸だったから、今日は私だったのだが…。
「ねぇ、半助。きりちゃんに決まった女の子がいないならうちの娘とかどうだい?こういっちゃなんだけど、器量よしの娘でね」
「それなら、うちの姪もね!器量よしで美人できりちゃんと並んだら美男美女になるわよ。」
「うちの子なんて、きりちゃんと会ってから四年間ずっときりちゃん一筋よ」
「あら?あんたんとこの子供って息子じゃなかったかしら?」
「女装してる時のきりちゃんに一目惚れしたらしくてね、今は女装してなくても良いからなんて言ってるのよ(笑)あたしも、きりちゃんなら大歓迎だしね」
マシンガントークが鳴り止まない…。そろそろ止めなくては、明日あたり本当に本人を連れてきてきり丸に会わせそうな気がする。
「ぁー、そのですね。きり丸はそう言った話しにまだ興味がないと先日言ってましたから申し訳ないですがお断り致します」
「そう、残念だわぁ。」
「とりあえず、それとなしに伝えておいてね」
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