落乱(小説)

□記憶
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「よし終わった!フフフ…きり丸、おいで♪」
ぽんぽん と三郎が座る所を指定し叩くと きり丸は観念して、三郎の足の間に収まった
「三郎先輩って、本当に甘えん坊っすよね。この前は眠いから側にいろとか言ってずっと手を繋ぐ羽目になったし」
「あの時の きり丸の寝顔は可愛かったなぁ♪けど、私が甘えてるのは雷蔵ときり丸だけ。甘えるより驚かせてその反応を見て楽しむ方が好きだからね」
「先輩らしいです」
「きり丸をこうして抱っこしてると落ち着くなぁ…」きり丸が恥ずかしそうにうつむくと、三郎は嬉しそうにきり丸を抱く腕に痛くならない程度に力を込める
(こうして、きり丸の側にいると懐かしい風を感じる事がある。一体、いつ感じた感覚だったろう…)
「重いですっ…ぇ…三郎先輩!?」
(頭…割れそうに…くそ…知ってるのに…もう少し…思い出せない…)
三郎は突然襲ってきた頭の痛みに 徐々に意識が薄れていった
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