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□君の幻影
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いつか、

こんなことを話したときがあった。


「僕、姉さんのこと大好きだよ。だからおっきくなったら、僕が姉さんを守るからね!!」


そういうとシエラは一瞬驚いた顔をしてから、やがて柔らかな笑みを浮かべた。


「…そう。ありがとう、ハイア。」


「えへへへ。」


ぎゅうっと抱きしめられ、そのぬくもりに嬉しくなって笑う。

しかししばらくすると、シエラは目を閉じて、そして静かに呟いた。














「ねぇ、ハイア。どうして私たちは…姉弟に生まれてきてしまったのかしらね」















幼かった自分には、その意味が分からなかった。


そして
そういう姉の目が悲しみにくれていたこと。


何で気づけなかったんだろう。


気づいたときにはいつも遅すぎて、



両手の中にあったはずのものは、



いつもすり抜けていってしまう―…



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