短編
□王子様の逃避行と、
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―ほら、見てあの子。
汚い格好をして外を平気で歩いているわ!
―なんてみすぼらしい格好をしているのかしら!
私だったら恥ずかしくて
外で歩くなんて事できないわ!
―クスクス……。
……ねえ、知っていらっしゃる?
あそこにいる小汚い娘は
*****家の時期当主だったっていう噂ですわよ。
―……え?その話が本当ならば
なぜあの娘はあんな格好をして外に居るのかしら?
―………*****家と言ったら、
この前潰れた大の貴族ではなくて?
―まあ!だからあの娘は
あんな格好で外に居るのね!
―汚い汚い汚い。
―汚い汚い汚らわしい。
―……クスクス、
―…嗚呼、なんてみじめなの?
あれが落ちぶれた貴族のなりはてという物なのね、
嗚呼、なんて可哀想に!