幽閉少女 文

□幽閉少女と冒険
1ページ/7ページ



―がやがやがや……―


「…凄い……!

 これが……街………!!」


あの後森を抜けた私達は、

ロウとレイの言う、その

大きな街へとやってきた。


「街へ来たのは初めてなのか?」

「ううん、

 本当は小さい頃に

 何度か来た事があるのだけれども―……、

 …そのほとんどが、もう

 憶えてなくって……。」


あはは…と笑う私。


「…そっか、なら今日は

 この街を存分に満喫して楽しもうね!」


ニコリと笑うレイ。


「馬ー鹿何言ってるんだお前。」

「「……え?」」


ロウがムッとした様に口を開く。


「‘今日だけ’みたいな言い方するなよ。

 お前はまたこの街に来るんだ。

 というか俺がまたお前を

 あそこから連れ出してやる。」

「………え!?」

「そうだね、

 サラがまたこの街に来たいと思うなら

 僕達があのお城から

 幽閉されている君をこっそり連れ出してあげる。」


クスリと笑う2人。


「んーまずはそうだな、

 いつもの‘あの場所’へ行くか。」

「そうだね、

 僕達の服装だいぶ目立ってるし……。」

「……あ……。」


…確かに道行く人達が私達を物珍しそうに見ている。


「ほらぼーっとしてないで行くぞ、サラ!」

「っわぁ!?」


ロウが私の手を握る。


「そうだよ、サラ。

 ぐずぐずしてたらどんどん時間が無くなっちゃう!」

「っちょっ、」


もう片方の手を握るレイ。


「…っもう

 2人ったら…………。」


…そう言って私は小さく笑う。


お城に居た時の、あの

無表情な顔はもうしてない。

だって2人がとても温かくて優しいから。

自然と笑みがこぼれてしまうから。


「どこか行きたい所はある?サラ。

 リクエストがあるんだったら

 今のうちに言っておかないと―――」

「ううん、私は何処でもいいよ、

 2人が連れて行ってれる場所なら

 何処に行ってもきっと楽しいから。」


ニコリと笑う私。


「――………!!」

「……お前っ……!!」


顔が真っ赤になる2人。


「?

 どうしたの2人共。

 顔赤いよ?」

「…っうっうっ

 うるせぇ!!とっとと行くぞ!」

「そうだよ!

 そういう事は聞いちゃ駄目だよサラ!」

「…えっ

 えっえ!?」


歩調が一気に速くなる2人。

私は慌てながらもそんな2人に

着いていったのだった。



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ