妄想

□面影
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「・・・んっ・・・ふぁ・・やっ・・め・・・・」

くちゅくちゅと嫌らしい音が響く。

無理やり押し入ってきた舌が内部で嫌がる舌を捕まえ逃がさないように絡み付いてくる、苦しい・・・・

相手の唾液なのか自分の唾液なのか解らない唾液が唇から首筋へと流れる。

銀色の髪が揺れる、深い緑の軍服?であろう服を来ている少年は真剣な眼差しで自分下に押し倒される形で倒れている、赤いバンダナを着けた少年を見つめる。先程まで激しく絡み合っていた唇はふっと離れただただ沈黙が続く。


「・・・・すまないカノン・・・・本当にすまない」


「・・・・バタップ」


先にその沈黙を破ったのはバタップと呼ばれた少年だった、バタップの表情は今にも泣き出しそうで・・・・パット見実際年齢より上に見られがちなバタップだが今はまるで母親に叱られた子供のように小さく、カノンと呼ばれた少年に謝り続けている。

『また・・・か』

カノンはバタップが自分に口付けてきた理由を知っている。

未来での戦いの後カノンはチームオーガのメンバーたちとよく会うようになっていた、その中でもバタップ、エスカバ、ミストレ、とは一緒にサッカーをしたり勉強を教えてもらったりといつの間にか仲の良い友になっていた。
中でもバタップとは遊ぶことが多く。

『今のこの国のありかた、そしてサッカーはやはり余り好きとは言えないが・・・・カノンの事は嫌いではない』

っと言ってはカノンと一緒に遊んでいた。

勿論初めは戸惑ったし疑ったが、しかしバタップの行動やしぐさに怪しい点はなくカノンはいつの間にかバタップの事を受け入れカノンのなかでバタップの存在が大きくなっていくのにそう時間はかからなかった。



そう・・・・あの時までは



あの日、エスカバとミストレに言われた言葉・・・・














『バタップは・・・・円堂守のことが・・・・好きなんだと思う・・・・』













そう・・・・バタップは俺の事が好きなんじゃない・・・・俺の中の・・・・












じいちゃんの面影に・・・・













恋してるんだ・・・・











「・・・・もう・・・いいよ・・・謝らなくて」

「!?」

すっとカノンの腕がバタップの肩えと伸びる、にこっりと微笑みながらバタップに優しく口付けた。

「・・・・なん・・」

「いいよ!!」

バタップの言葉をさえぎるように声を上げた。

「えっ??」

「いいよ・・・・好きにして・・・・」

「・・・・」

「どうしたの?俺の事は気にしなくていいから・・・・ね??」


そう言うとカノンはまたバタップの唇るに触れる、最初は戸惑った様子を見せていたバタップだか何度も口付けを交わすうちに戸惑た表情からギラギラとした推すの表情に変わっていった。









分かってる・・・・全部分かっていて・・・・こんなことしてるんだから・・・・





なのに・・・・どうしてだろ?








涙が・・・・













止まらない・・・・






end


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