とある世界の創造錬成

□第1章 禁書目録編
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ん‥‥‥あ〜痛てぇ‥‥
俺は‥えっと‥‥
あぁそうだ‥
“幻想郷”から帰って来たんだったな‥


身体を起こし頭を振る‥
暫く昏倒していたらしい‥頭が酷く重く感じる。



『ったく‥紫姉ぇの奴‥‥
帰すにしろやり方って物があるだろうに‥』


知っている者なら判るだろうが俺は幻想郷と言う隔離された別世界へと招かれその後色々あって外の世界にに返された。
まぁ、普通の方法では無く“スキマ”と呼ばれるモノで落とされたんだが‥
まぁ割愛しよう。



『帰ってきたんだよ‥な?
しかし、夜か‥ってかどこら辺な訳だ此処は‥


俺が立っている場所は薄暗い廃ビルの路地の様だが‥

俺は本来山奥に住んでた変わった奴なのだ。
ま、自分で変わった奴と言うのはあれだが‥
住んでいた場所からかなり離れているらしい‥‥
参ったな‥‥


遠くから喧騒が聴こえる。
どうやらかなり人が居るようだ。
はぁ‥人混みは苦手だがここが何処か聴かないとな。


「そこの貴方!
少しよろしいかしら?」


ん?
振り返ると其処には所謂、制服と言われる物に身を包んだ少女が居た。
見た目からすると中学生位かな?



『俺の事か?』

「えぇ貴方ですわ。」


『何のようだ?
俺はちょいと込み入った事情で此処にいるんだが‥
あぁそうだ此処が何処だか解らないんだ。
良かったら地名を教えて貰えると助かる。』


「白々しいですわね‥
まぁいいですわ。
私、風紀委員【ジャッチメント】ですの!
大人しくお縄についてもらいますの!」


は?風紀委員【ジャッチメント】ってなんだ?



『‥‥どして?』

「問答無用ですわ!!」


女子中学生(?)はいきなり俺の手を取り‥投げた。
それはもう綺麗に。
だが、これくらいは日常茶飯事な訳で背中から落ちる前に自分から加速して一回転し着地。
少女から距離を取る。



『いきなりだな。
俺が何かしたか?』

「っ!?やりますわね‥
でしたら!!」


消えた!こいつ能力持ちかよ!?
いつぞやのメイドさんみたく【時を操る程度の能力】じゃないだろうな!?

思考していたら。後頭部を蹴られた。
そのまま前のめりになり。気付けば服のはしを鉄の棒らしきモノで地面に磔にされた。



『なんだ‥こりゃ?』


カツッ!

目の前にあの少女がいきなり“現れた”文字通りだ。
やはり‥
時間を止める能力‥‥
‥‥厄介だな。


「私の能力は空間転移【テレポーター】ですの。
貴方には対処出来る訳がありません。」


ふぅん、なるほど空間転移【テレポーター】ね‥‥

多分俺は笑ってる。
余りに俺が短絡的な考えで相手の能力を決めつけていたから‥


「何が可笑しいんですの?」


『いやぁ‥俺もまだまだだってな。
‥で?俺はどうなる訳?』

「然るべき場所で然るべき処置を受けてもらいますわ。」


然るべき処置?
てか俺は何をしたよ?
気が付いたら此処に居た訳だし‥‥
‥ん?もしかして居るのが悪いのですか?
私有地に居た訳ですか?



『‥俺の言い分は通る?』

「通る訳ありませんの。
今、警備員【アンチスキル】に連絡しましたので。」


警備員【アンチスキル】?
なんなんだよ本当



『ったく此方に帰ってそうそう訳の解らん事を言うガキに捕まるとは‥‥
紫姉ぇ怨んでやる‥‥‥』

ん?なんだ‥?
空気がなんか澱んでいるような‥‥

!?



『オイッ!直ぐにこの場から離れろっ!!』

「何を言って‥」


『チイッ‥!』


無理矢理磔にされた服を力で破って少女を抱え走り出した。


「ちょっ!?ちょっと何を!?」

『黙ってろ!舌噛むぞ!?』


路地を抜けた時だ。

ドガアアアアアンッッ!!

爆発が起きた。ちょうど俺達が居た場所だ。


「何なんですの!?」


『‥‥‥』


少女を下ろして前に出る。

何か居やがるな‥‥

爆発した場所から男が表れた。
いかにも自分は不良です。と言った風貌に下卑た笑いをヘラヘラと浮かべていやがる。



『あ〜あ逃げられたか。
せっかく風紀委員を殺れると思ったのになぁ?』


風紀委員‥つまり少女を今の爆発で殺そうとしたか!?



『テメェはこんなガキを殺すために態々?』


『そうよそうですよそうなんですよ!?ギャハハハ!
こいつら風紀委員がでかい顔してのさばってるから思い知らしめてやろうと思ってなぁ。』


ふぅん‥その程度で殺そうとしたのか‥‥
そっか‥
やっぱ“此方の世界”はこういう下らない輩が多いようだな。


「貴方を拘束しますわ!
風紀委員として!!」


『おい、ガキ‥』

「貴方は後ですわ!!
邪魔ですからさっさと何処かへ行って下さいまし!!」


『アイツは俺がやる。』

「‥は?」


『お前、名前は?』

「‥白井黒子ですわ。」


『そうか、なら黒子‥教えといてやる。
俺はああいった輩が死ぬほど嫌いでな。』


『おぃ姉ぇちゃん。
アンタが代わりに殺されんのかよ?』


『今すぐその言葉を吐けなくしてやるよ。
ガキしか狙えない臆病者風情が。』



『っこのアマぁぁああ!?』


俺の挑発にのった不良。
つか誰が姉ぇちゃんだ
‥‥‥‥‥潰す。


さて、人間相手は久々だ‥
不良は手に何やら集めてもう一方の手に持った火種で爆発させる。

2回ほど回避して気が付いた。
空気中からガスを集めてるのか‥
爆発自体を操る訳では無いなら‥‥簡単だな。



『くそっ!
次こそ当ててやるっ!!』


手にガスを集め始めた。
今だな!



『そらっ!』


一気に駆け抜け、ガスを集めた右手を掴み相手の口の中にぶち込む。



『おごっ!?』


そのまま体を拘束して火種のライターを奪う。



『動くなよ?
動けばお前の鼻から洩れてるガスに火をつけてドカンだぜ?』


『あががっ!?』


もう面倒だから思いっきり腹に一撃入れてやった。
勿論不良男は気絶。
なんだよ雑魚いな
まだ“イタズラ妖精”の方が骨があるぞ?



『ふぅ…』


カチャリ

金属音が俺の左手から聞こえる。



『あ?』


先ほど白井黒子と名乗った少女が俺の手に手錠をかけていた。
あまつさえその手錠の傍らを黒子自身の右手につけてだ。



『あの〜?』

黒子
「連行しますわ。
風紀委員、第177支部へ。」

すっげ〜笑顔なんですけどもっ!?
だから俺が何をしたよ!?
あ、喧嘩したな‥
自業自得‥か‥‥
はぁ‥ついてねぇ
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