東方欠落夢

□東方欠落夢外伝
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《外伝ノ壱・恋の魔法事件》




『よしっ!永琳、ちょっと紅魔館へ行ってくるわ。』

永琳
「あら?何か用事?」


『ああ、ちょっとな。
身体が治ったら来いって言われてたの思い出したから行ってくる。』

永琳
「‥‥まぁいいわ。
なるべく早く帰って来なさい。」


『アンタは俺の母親か‥』


とりあえずの許可が出たので紅魔館を目指す。
フランドールとの1件以降、お呼ばれしていたが長々平穏な日々を過ごせ無かった俺はすっかりその約束を忘れてしまっていたのだ。



(思い出して良かったぜ‥早めに行かないと吸血嬢達に何されるか分からないからな。)


で、紅魔館へ向かう途中、魔法の森で香霖堂が視界に入ったのでちょっと立ち寄る事にした。



『霖之介居るか〜?』

霖之介
「やぁいらっしゃい。
久しぶりだね。」


『ああ。ちょっと色々こき使われてたからな‥』

霖之介
「ははは、それは災難だったね。
ちょっと待っててくれお茶でも出そう。」


『気にしなくていいぞ。
ちょっと立ち寄っただけだし。』


「こーりん!!色々と売りに来たゼ〜♪」

「ちょっと魔理沙!声が大きいわよ?」


野郎だけの独特な気が休まる空間にかしましい声が響いた。
声の主は魔法の森に住む二人の魔法使いだ。


魔理沙
「おぉ!!久しぶりだな翔!!」

アリス
「本当、1ヶ月ぶり位じゃない?」


『魔理沙にアリス‥何だか懐かしいと感じてしまうのは俺が疲れているからか?』

魔理沙
「何ボヤいてんだぜ?もっと嬉しそうにしろよ。」

アリス
「それで何してるの?
買い物?」


『いや、欲しい物は無いかな‥あっても俺は自分で創れるし。』

アリス
「確かにそうね。」

霖之介
「おかげで此方は商売にならないという事になるね。」


『あ゙〜ま、まぁそれは置いといて魔理沙は霖之介に用があるんじゃないか?

魔理沙
「お、忘れるとこだったぜ。
こーりん、いつもみたいに買い取ってくれ♪」



魔理沙が籠をカウンターに乗せる。
中身は多種多様な茸の山と訳の分からない草ばかり。ソレを売る気なのか!?


霖之介
「ふぅ、仕方ないね。
この量ならこれくらいだ。」


あっという間に査定を終え魔理沙にお金を渡す霖之介の目はいつもこんな感じだと俺に訴えてくる。



(‥‥ドンマイ?)

霖之介
(何で疑問系なんだい?)


(強く生きろ‥)

霖之介
(その心遣いには涙が出そうだよ。)


野郎同士のアイコンタクトで会話を済ませた。
苦労してんだなぁ‥‥


魔理沙
「後はパチュリーに本を借りに行くだけだぜ♪」


『ちゃんと約束は守ってるか?』

魔理沙
「当たり前だろ♪」

アリス
「本当に普通に借りて返す様になったのよねぇ‥
なにかが起こる前触れかしら?」


ほぉ感心感心。
ちゃんと守ってる様だな。



『紅魔館に行くなら俺も着いていっていいか?
紅魔館へ行く途中だったんだ。』

魔理沙
「勿論いいぜ♪」

アリス
「構わないけど‥
貴方飛べたっけ?」


『いや‥無理だ。
だからスマンが魔理沙、乗っけてくれ。』

魔理沙
「もちろんいいぜ♪
全力でとばすから確り捕まってろよ?」


『‥‥安全運転でお願いします。』


あまり気乗りはしないが‥
手っ取り早く紅魔館へ行けるならやむ無しだ。

香霖堂を出て魔理沙の箒に跨がる。


アリス
「な、なな‥アナタ達何やってるのよ!?」

魔理沙
「何って‥」


『箒に跨がっているだけだが?』

アリス
「そうじゃなくて!!
アナタ達近づきすぎよ!!」


『いや、確りしがみ着かないと振り落とされかねんしな。』

アリス
「だとしてもソレは恋人の距離よ!!」


『はぁ?』

魔理沙
「ななな何を言ってるんだぜアリス!?/////
私と翔が恋人だなんて‥‥恋人‥‥」


『おぃ?
どうした魔理沙?』

魔理沙
「‥うふふふ♪‥‥
恋人‥うふふふふふ♪」


ど、どうしたんだコイツ…
ちょっと怖いんだが


魔理沙
「ハッ!?私は何をしてたんだぜ?」


『知るかよ‥
てかアリスも、いきなり何言ってんだよ。
俺だって他に飛ぶ手段があればそうするが‥
アリスに抱えて貰う訳にはいかないだろ?』

アリス
「‥それもそうね。」


分かって貰えた様で何よりですハイ。



『それじゃ、ちゃっちゃと行こうぜ?』

魔理沙
「よし!全力全開でぶっ飛ばすぜ〜♪」


『まぁ‥予想はしていたけどぉおおおおおおおっ!?』

アリス
「あ、ちょっと魔理沙!?
待ちなさいよ〜!!」
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