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□クリスマスの景色
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天気予報では明日は雪。
私はテレビを消して立ち上がり、窓の外へ視線を向ける。
…あれ、もう降ってるのかな?
夜だからよく見えないけど、ちらちらと白い物が落ちてくる。
よくよく見ると、地面にうっすらと積もっているようだ。
明日はクリスマス。ということはホワイトクリスマス!
何か予定がある訳じゃないけれど、テンションが上がった私は素早くカーテンを閉めた。
屋上に行ってみよう!これから雪が積もる景色を見てみよう!
一番厚いコートを引っ張りだし、部屋を飛び出した。
雪が音を吸い込み、外はとても静かだった。
真っ暗な空から大きな雪が降ってくる。
寒い!でもこのコートは温かいから大丈夫。
フェンスに近づき、そこから見下ろせる景色を見ていた。
不思議な雰囲気。
時間が止まってしまったようだった。
こんな時は熱ーいコーヒーがいいかな。
…九楽さんが淹れてくれた物なら、それが一番いいんだけど。
その時、背後から足音が聞こえた。
…誰か来たのかな?
振り向くと、そこには傘を持って近づいてくる九楽さんが居た。
「…大村くんにも雪が積もっていますよ。」
「あ…傘…忘れてました。」
私は笑いながら頭や肩の雪を払う。
…どうして九楽さんが?
ドキドキしてきた…、うわあ…どうしよう。
九楽さんは隣に来ると、私を傘の中に入れてくれた。
「きっとここからの景色は素晴らしいだろうと思って、来てみましたが…。」
「…同じ事を考えてたんですね。」
「そのようです。」