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□好きな人
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私は神谷さんに呼び出され、ブリーフィングルームへ向かった。
しかしそこには神谷さんと何故か黒峰さんが居た。
…なんだろう、嫌な予感しかしない。
満面の笑顔で神谷さんは私を椅子に座らせ、自分は隣に座る。
少し離れた場所に黒峰さんが座った。
うわー、なんの尋問だろう…。

「あのね、私たち、あきひちゃんの恋を応援するために集まったの。」

やっぱりそうだと思ったよ!!
私の笑顔が引きつる。

「応援って…あの、黒峰さんもですか?」

しかし黒峰さんは目を閉じて私の言葉を無視した。

「まぁまぁ、アレは放っておいていいから。そんな事より玲士くんよ!進展できそうなの!?」
「し、進展…いや、そういうのは…。」

「見てるだけでいいの?側に居るだけでいいの?」
「いいです。」

神谷さんは勢い良く立ち上がった。

「そうじゃないでしょ!!良くないのよ!!蚊帳の外の人間がどれだけヤキモキしてると思ってるの!?」
「はい!?」

「風ちゃんですら気を遣ってあきひちゃんをトレーニングに誘うのを我慢してるのよ!!」
「え!そうなんですか!?」

「千鳥長官はフラフラと研究室と長官室を出たり入ったり、床の上で眠ったり、」
「それはいつもの事ですよね。」

すると黒峰さんが薄く目を開けた。

「あの眼鏡には直接言わなきゃ伝わらねーよ。…まさか自分が、なんて…これっぽっちも思わねぇからな。」

直接…。
急に胸が苦しくなった。

「それはお前が一番解ってんだろ。」
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