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□切るなんてとんでもない!
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ベッドにごろんと横になり、明日のスケジュールを頭の中で確認する。
もぞもぞと布団の中へ入ると、ケータイが鳴った。
慌てて確認すると…青山さんだ!!
「も、もしもし…。」
『ああ、こんな時間にすまない。まだ起きていたか?』
「はい、これから寝ようかと思っていましたけど…大丈夫です。」
『そうか…、明日の打ち合わせの件なんだが、場所が変更になった。それに伴って時間も早くなるからメールで詳細を確認しておいくれ。』
「はい、わかりました。わざわざありがとうございます。…まだお仕事してるんですか?」
青山さんは溜息混じりに言った。
『ああ…。疲れているのかもな…君の声が聞きたくなったんだ。』
「えっ!?」
私の正直な声に青山さんは笑っている。
『…今夜は冷えるらしい。風邪をひくなよ。』
「はい…、青山さんも。」
『そうだな。…では、また明日。』
「……はい。」
『…。』
「……。」
私は無意識にシーツを握りしめていた。
電話の向こうで、青山さんは軽く咳払いをする。
『…もう少し、話していてもいいか?』
そんな一言で私の顔は熱くなってしまった。
「私も、…まだ眠れそうにないです。」
寝る前に青山さんの声を聞くのは、心臓に悪いかな?
『それなら丁度いい。…食堂で何か温かい物でも飲むか。』
「…はい!」
私は勢い良くベッドから飛び降り、何か羽織る物は無いかとクローゼットを開けた。
オワリ.