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□そういうのが大好き
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目を覚ますとなんだかベッドが狭かった。
まだ頭が回らない。
ゆっくりと首を動かし、体を動かして寝返りをうつと、黒峰さんの顔があった。
なんだ…この人のせいか。
寝ぼけたまま再び目を閉じ…ない!!
「黒峰さん!!ちょっと、何してるんですか!!」
「…あ?なんだ、もう朝か…。」
「朝か、じゃないですよ…いつの間に部屋に入ってきたんですか…。」
本当に、なんで気づかないんだろ…。
寝る前は確かに鍵を掛けた筈なのに。
「なんだよ…大好きなハートブラックが隣に寝てた、なんて最高のシチュエーションだろ。」
「大好きじゃありませんから!」
「あー、はいはい。」
黒峰さんはニヤニヤしている。
私は起き上がりベッドの上で正座をする。
ニヤニヤしながら黒峰さんも起き上がった。
「…何ですか、その顔。」
「……そうだな。大好き、なんて…言わせてみるか。」
「…はい?」
「ほら、言ってみろよ。」
「絶対に言いません。」
そんな簡単に言うと思ってるのかな…。
「そうか、まあ時間の問題だろ。」
…言いたくない。絶対に。
「黒峰さん。」
「あ?」
私は悔しくて、真剣な表情で言った。