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□ときめく仕草
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「あ、青山さん!!」

廊下の向こうに青山さんが歩いているのを見つけ、私は駈け出した。
それに気づいたのか、立ち止まり待ってくれる。

「今パトロールから戻ってきたんです。」
「…そうか、私も打ち合わせが終わった所だ。」

「これから…またお仕事ですか?」

私の顔を見て青山さんは微笑んだ。

「…いや、休憩にしようと思っていたんだ。私の部屋でコーヒーでも飲まないか?」
「はい!」

やったー!!
まだ仕事があるんだろうな、と思いつつ…甘えてしまう。
私はニコニコしながら青山さんの隣を歩いていく。






ソファーに座ると青山さんはネクタイをゆるめていた。
それを私は隣でじーっと見ている。

「…どうした?」
「ネクタイをゆるめるのって…スーツを着てる男性の特権ですよね。」

「それがどうかしたのか?」
「女の人はそういう仕草にときめくんですよ!!」

思わず力が入ってしまった。
青山さんは笑っている。

「では…君はスーツを着ている男性が居れば、頻繁にときめいているのか?」
「誰でもいい訳じゃないです、青山さんだからいいんです!」

「そ、そうか…。」

流石に青山さんの顔も赤くなる。
やっぱり男の人には解らないよね。
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